「コックリさん」といえば、最近は話題にすら上がらなくなりました。
私が子どもの頃は全国的に流行していましたが、いつの間にか姿を消したと思っていました・・・が。
そもそもコックリさんとは何なのか?
コックリさんの起源は意外にも西洋由来であるとされています。
19世紀後半、欧米で流行したスピリチュアリズム流行の中で広まったウィジャボードやターニングなどの降霊術の影響を受け、日本で独自に変化したものと考えられている。
10円玉を使った遊びという印象が強いコックリさんですが、本来は降霊術の一種として扱われていました。
漢字では「狐狗狸」と書くことがありますが、狐=狐霊、狗=犬霊、狸=狸霊の意味を当てて、この3種の霊を呼ぶと言われていましたが、後から作られた解釈の可能性が高いのです。
仮に本当に霊を呼ぶとしても、何を呼び出しているのか明確な定義はありません。
当時の心霊雑誌やオカルト本の中には、低級霊や動物霊があらわれ、呼び出して制御できずに帰せなくなる、取り憑かれるといった噂が広まり、危険な降霊術として語られることも少なくありませんでした。
もっとも、こうした話の真偽を確認することは困難で、むしろ何を呼び出しているのか曖昧だからこそ、子供たちの想像力が刺激されました。
流行っていたコックリさん
子どもの頃に流行していた時代は、まさに全盛期でした。
私自身も友達と一緒に何度もコックリさんを試したことがあります。
何か禁断の行為をしているような背徳感があり、それが妙な高揚感につながっていました。
子どもたちの間で流行したのも無理はなかったのでしょう。
鳥居や五十音、「はい」「いいえ」などを書いた紙を広げ、その上に10円玉を置きます。そして参加者全員が人差し指を軽く乗せて質問をしていくのです。
質問内容は他愛もないものばかりでしたが、ときには10円玉が円を描くようにグルグル回ることもありました。そのたびに驚いたものです。
今になって考えれば、参加者の誰かが意図的に動かしていた可能性もありますし、無意識に力が入っていたのかもしれません。
実際、私が記憶しているのは「○○君は△△ちゃんが好きですか?」「将来お金持ちになりますか?」といった質問が多く、なぜか都合の良い答えが返ってくることも少なくありませんでした。
なんのこともない答えに一喜一憂していましたが、今になって思えば、その場にいた誰かが答えを誘導していた可能性も十分にあります。
好きな相手や友人関係が気になる年頃ですから、10円玉を少し動かすだけで自分に有利な結果を作れてしまいます。
霊の仕業よりも、子どもらしい悪戯や願望の方がよほど現実的だったのです。
それでも当時の子どもたちは真剣でした。
だからこそ不気味な答えに怯えたり、逆に都合の良い結果を信じたりしたのでしょう。
そうした体験も含めて、多くの人の記憶に残る遊びだったと思います。
こっくりさんの終焉
コックリさんが学校で問題視されるようになった理由は、単なる迷信ではありません。
授業中に隠れて行う児童が現れたり、結果を巡って友人同士のトラブルが発生したりしたためです。
また、「死ぬ」「呪われる」といった不安を煽る結果が出たことで精神的なショックを受ける子どももいましたし、「誰々が嫌っている」「将来こうなる」といった内容が人間関係に影響を与えることもありました。
こうした事情から、1980年代以降は多くの学校で禁止されるようになり、次第にブームは下火になっていったのです。
もっとも、本物の狐の霊を呼び出しているため禁止されたと考える人もいますが、少々疑問もあります。
稲荷信仰における狐は神の使いとして扱われる存在です。もしそうした神格的な存在が実在するとしても、放課後の教室で子どもたちが10円玉を囲んでいるたびに律儀に呼び出されるとは考えにくいでしょう。
ましてや呼び出し、作法通りに返さなかった程度で片っ端から祟るほど短気だとも思えません。
令和になっても消えなかった
一時は姿を消していくと思われたコックリさんですが、完全に忘れ去られることはありませんでした。
近年でも漫画やアニメ、インターネット上の怪談などでたびたび登場しています。
2010年代に「ググれ!コックリさん」という漫画が人気を集め、後にアニメ化もされています。
面白いのは、この作品に登場するコックリさんが昔の怪談に出てくるような恐ろしい存在ではなく、世話焼きで苦労人として描かれていたことです。
かつて恐れられた存在が、数十年後にはギャグ漫画の主人公になっているのですから、時代の変化を感じます。
結局のところ、私たちが「コックリさん」と呼んでいたものの正体は何だったのでしょう?
単なる遊びだったのか、それとも別の何かだったのか?
科学や技術が発達し、参加者の無意識や意図的な操作によって説明されることが多い現在でも、人々が見えない存在との交信に興味を抱き続けているからこそ、存在しているのは確かな事です。
※画像はイメージです。


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