陰陽師は古代において祈祷や占術などを行っていた官職で、安倍晴明をイメージする人も多いでしょう。
彼は平安時代に活躍していて、見えない鬼が見えた、鳥が話す言葉を理解することができたなど、不思議なエピソードがあります。
現在でもいろいろな漫画や映画、ゲームなどにも登場して、いわゆるヒーローのように描かれています。
今回は安倍晴明を中心に陰陽師についてご紹介いたします。
陰陽師とは?
もともと中国古代の陰陽五行思想から派生していて、既に飛鳥時代の頃には伝わっていました。平安時代において全盛期と言える時代が訪れるようになり、明治時代までは存続していたと言われています。
律令国家が建設される一連の流れにおいて、陰陽寮と言う専門の役所のようなものが設けられました。さまざまな仕事を行っていて、例えば天文観察を行ったり、暦や時間を作成しています。これらを総合的に考察することによって吉凶を判断するという役割があり、今で言う公務員のような存在で国が公認していた呪術師集団とも言えるでしょう。
安倍晴明とは
彼にはいろいろな不思議なエピソードがあり、いろいろな術を改変強化したり、十二神将や式神などを操っていたそうです。平安時代のヒーローとして描かれていることが多く、神秘的な雰囲気が漂うキャラクターとしていろいろな作品に登場しています。
彼は賀茂家において学び、さまざまなトラブルを解決したことから天皇や貴族から信頼を得るようになりました。玉藻前のストーリーは有名で、彼女は鳥羽上皇から愛された女性で、妖狐の化身で正体を見破られたことによって、石になったと言われています。当時上皇は体調を崩すようになりますが、その原因は分かりませんでした。
彼は彼女の仕業だと見抜くと、彼女は狐の姿になって逃げたそうです。蘆屋道満は彼のライバルとして描かれてることが多く、道満は朝廷側ではなく民間からの信仰を集めるような存在でした。ある日道満が依頼されて藤原道長を呪ったことにより、二人は対決することになりお互いの力を使い果たしてしまい倒れたと言われています。
彼の晩年の詳細は分かりませんが、当時としてはかなり長生きしたそうです。お墓は複数存在していて、神秘化されたエピソードが多く残っています。
今でも残る仕事
仕事の一つとして結界があげられます。もともと何かしらを封印するために作られていて、線を作ることが基本です。最終的に五芒星と言うものがイメージされるようになり、基本的にこれは目に見えません。城の堀や川などあちらとこちらを区切るという役割です。
陰陽師は国の機関に属している公務員になるので、天皇をお守りするという仕事もありました。さまざまなイベントの吉凶を判断したり、いろいろなアドバイスを行ないます。平安京の場合、彼らは都を設立する際に四神相応の地を見つけ出しました。江戸時代にも彼らは活躍していて、霊的な結界を張って守りを固めたと言われています。小説「帝都物語」でも陰陽道が登場していたり、山手線の本来の目的は都を守るための電気的な結界という噂です。
陰陽の行方
近代になると陰陽師排除政策がとられるようになり、禁止令が発行されることによって陰陽道は迷信という扱いになり、民間に対して流布が禁止されました。第二次大戦後、六曜についてはカレンダーなどに利用されるようになり、現代では術式に頼るような人はかなり少ないです。
地方に行くと存続しているエリアもありますが、今ではアニメなどさまざまな創作物で見る機会が増えました。フィクションとして人気のある分野で、多くの作品が製作されています。
最後に
古代日本ではいろいろな災害や厄災などについて、怨霊や呪いのせいだと多くの人が信じていました。いろいろな術式を使ってトラブルを解決してくれる陰陽師はヒーローのような存在で、多くの文献でその活躍を見ることが可能です。
不思議なエピソードは現代にも語り継がれていて、さまざまなフィクションとして楽しむことができます。
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