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一撃離脱戦法は空戦の基本

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一撃離脱戦法はアメリカ機の専売特許ではありません。
日本の戦闘機乗りも重要視していました。

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撃墜王・坂井三郎の戦法

漢口飛行場での坂井三郎
■1939年、漢口飛行場での坂井三郎。
See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons

ゼロ戦の運動性能に手を焼いた米軍は、大馬力で速力のある戦闘機で敵機に高速で接近し、一撃だけ銃撃した後はそのままの高速で退避する一撃離脱戦法を採用して、ゼロ戦とのドッグファイトを避ける戦術をとった事は戦闘機ファンであれば誰もが知っています。

しかし格闘戦(ドッグファイト)に強いゼロ戦の搭乗員で、左捻じり込みという曲芸じみた空技を得意技とした撃墜王・坂井三郎は、格闘戦は窮地に陥った時の緊急用脱出策で、空戦は専ら「据え物切り」に徹すべし、と言っていました。

「据え物」とはその場に置かれた動かない物の事で、逃げ回って激しく飛び回る敵機ではなく、こちらに気付かず直線に単純飛行している事を言っており、据え物切りこそが空戦の極意であるとまで断言しています。
つまり坂井は敵機に気付かれない様に近付き、突然銃撃する奇襲戦法を重要視していたのです。

空戦の要諦は見張り

空戦イメージ

坂井三郎は空戦で最も大切な事は見張りであると言っています。つまり如何に敵より先に相手を見つけるかが必勝の鍵だというのです。
敵に見つけられる前に敵機を発見し、有利な位置を占めてそこから急襲する。これが坂井の言う据え物切りの極意です。

坂井は特に敵機の下方後方からの攻撃を好みました。それはその位置が敵機の一番の死角であり、もし気付いた敵機が退避する時も最も狙い易い背面をこちらに向けるからです。
この見張りを良くする為に坂井は目を鍛え、その視力は昼間でもある程度の星を見る事ができる程でした。
その視力の良さが、格闘戦をあまりする事なく多くの敵機を撃墜できた原因だと坂井は見ていました。

格闘戦はリスキーな戦法

空を飛ぶ零戦

坂井のみならず日本の多くの名パイロット達は同様の考えを持っていた様です。その理由は格闘戦はこちらが負ける可能性もある事でした。
一撃離脱は攻撃後即退避するので攻撃を受ける可能性が低くなります。ですから最も安全で効果的な攻撃方法なわけです。

太陽を背にして攻撃を掛けるというのもこの戦法の一つで、敵より早く相手を発見する事、有利な位置を確保する事は、空戦に限らず戦術の基本の最たるものです。
そう考えると、ゼロ戦の華麗な空中格闘戦ばかりの私達の想像は、現実の空戦とは少し違っているのかもしれません。

歴史大好き爺さんです。
格闘戦が得意なゼロ戦。しかし空戦の実態はすこし想像と違うかもしれません。

※画像は一部イメージです。

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コメント一覧 (1件)

  • ① 先に敵を見つけ
    ② 気づかれないように忍び寄り
    ③ 必殺の一撃を浴びせて退避

    ステルス戦闘機はこれの究極ではあるまいか。

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