名参謀 秋山真之 は海軍大学教官の名教官

名参謀 秋山真之は、名教官でもありました。

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人気の名教官

秋山は日露戦争の3年前に、海軍大学教官として後進を指導していました。
彼は学生たちに、
「多くの兵書を読み、数多ある過去の戦史を紐解くべし。
 そして考えに考え抜いて獲得した自己の兵理は、
 百回の講座で聞き覚えた単なる知識を、はるかに凌駕するものなり」
と説きました。

試験では、学生なりの筋の通った一説には、それが例え秋山の考えと異なっていても、高得点を与えたと謂います。
それは、千変万化する実戦において、自主的で適切な判断が将官には不可欠だからです。
教官の意に添うだけのような教育を、秋山は嫌いました。

また「坐上実学の最良なるもの」、と彼自身が評して米英海軍から導入した、全く新しく実戦的な勉強方法である兵棋演習で、仮想敵国・露艦隊を学生たちと共の徹底的に研究しました。

このような自由で実用的な教え方は、学生たちに大いに受け入れられ、秋山は人気の名教官と称賛されました。
こうして秋山が教えた学生たちの何人もが、3年後、連合艦隊各艦船に参謀としてそれぞれ赴任し、秋山の作戦を一端と担ったのです。

photographer is unknown, Public domain, via Wikimedia Commons

米海軍大学の兵棋演習

太平洋戦争時の米太平洋艦隊司令長官・ニミッツは、
「戦争は米海軍大学における兵棋演習の結果通りに進行した」と、
戦後に語りました。

また太平洋戦争開戦前に、国家としての総力戦の在り方について研究する目的で設立された、日本の国家総力戦研究所での兵棋(机上)演習では、日本が辿った敗戦への実際の道程を見事に予想していました。
因みにこの予想を聞いた東条英機は、「机上演習と実際の戦争は違う」と言って、一顧だにしませんでした。

綿密に組み上げられ、厳格なルールに基づいた兵棋演習は、このように将来の正確な状況の把握に不可欠な方法です。

太平洋戦争の頃の兵棋演習は、艦船や部隊など戦力を表した駒を、長い棒を使って図面上で動かして行われていましたが、現代ではコンピューターによりディスプレイに状況が映し出されます。
その規模は国家クラスのものでは数年も続きますが、例えば米海軍大学が実施する兵棋演習の一つは1週間をかけて行われます。

注目したいのは、米海軍大学とは「教える」場所ではなく、真剣で活発な議論通じて共に学ぶ場である、という大学の姿勢です。
兵棋演習はこの教育姿勢に適った教材だといえます。

教育の本質

知識を与えることが教育ではないようです。
知識は教育を行うための材料でしかありません。
得た知識を広く深く検討し分析し研究して、その中で自分なりの考えを見つけ出させることこそが、真の教育といえるのでしょう。

秋山真之と米海軍大学の教育思想が、100年以上の時を超えてなお同じくしているのは、それが教育の本質だからではないでしょうか。

歴史大好きじいさんです。
教育の本質とは何ぞや?

参照
知将・秋山真之 生出寿(おいでひさし)著

featured image:photographer is unknown, Public domain, via Wikimedia Commons

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