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ポケモンブームに取り残された私が一人ぼっちではなくなるまで

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小学校の時でした。
クラスの中で巻き起こったブームから、私は取り残されていました。

そのブームを巻き起こしたゲームとは、ポケットモンスター。その当時子どもたちの間で大人気だった、今では大人から子供まで大好きなポケモンです。私が小学校の頃、その中の1タイトルが大変なブームをクラスに巻き起こし、右を向いても左を向いてもポケモンの話題で持ち切りでした。うちはあまり親がゲームを好まず、私はゲームを買ってもらえないままクラスの中で取り残されてしまいました。

誕生日か、クリスマスか。そういった特別な時にしかそんな高いものは買ってもらえない家でしたので、ぐっと我慢してポケモンの話題が渦巻くクラスの中で、一人ぼっちでぽつんと座る日々を続けました。

そんなある日の事、唐突に私は思いつきました。そうだ、雑誌を買って勉強しよう。親に隠れてこっそりポケモン雑誌を買い、どんなポケモンが出てくるのか、どんなイベントがあるのかを勉強した私は、嘘を織り交ぜながらクラスの子たちの話に入っていこうとしました。しかし当然ながら上手くいきません。

所詮は小学生の浅知恵、私は目論見が上手くいかなかった事が悲しくて、ついには泣きながら親に全てを話しました。最近のクラスの様子、自分がどういう状況にいるのか。

親はびっくりして、それから私に、一年に一度特別な時にしか買い与えられないはずのゲームを、買ってくれたのです。本当は駄目だったのに、特別な日にしか買ってもらえないはずのゲームを、買ってくれたのです。

それが本当に嬉しくて、嬉しくて、私は泣きながら買ってもらったポケモンのパッケージを開きました。金色にきらきら輝くホウオウのパッケージ、今でも忘れません。夢中になってポケモンをしました。友達と話もしました。チコリータを選んだよ、と話したり、何を捕まえたんだよ、だとか、ジムリーダーに勝ったよだとか。

みんなと、嘘をつかずに話せる事が嬉しくてたまりませんでした。友達が増えて、話す話題も増えて、ポケットモンスター金が私の小学校時代を少しだけ鮮やかに彩ってくれました。大人になった今でも、ポケモンのパッケージを見るとあの頃のことをしみじみと、とても懐かしく思い出します。

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