今年(2018年)3月末に陸上自衛隊に水陸機動団が創設されます。
自衛隊初の水陸両用部隊として注目されています。
一方で太平洋で戦った旧日本軍はどうだったのでしょう?
旧日本軍の上陸作戦への関心
旧日本陸軍は第一次世界大戦で英仏の連合軍が行ったガリポリ上陸作戦に関心を持ちました。
これまで上陸作戦にそこまで力を入れていなかった陸軍でしたが上陸用舟艇とその母船である「神州丸」を作り部隊に上陸作戦の訓練や演習をさせて上陸作戦の能力を大正時代から模索しながら向上させました。
実際の上陸作戦
研究と訓練を積んで行った陸軍最初の上陸作戦が上海事変の時でした。
この時の上陸作戦は二つのパターンがありました。
・敵である中国国民党軍の背後に回る七了口上陸作戦
・敵前へ上陸するウースン上陸作戦
日本陸軍では上陸作戦を主に七了口のような敵が手薄な所から上陸して内陸で進撃や攻撃を行うやり方が主でした。
ウースンのような敵の守りが固い場所への上陸は損害が予想されて必要でやむ得ないとされた場合に実行されました。
敵前上陸作戦は後の太平洋戦争ではマレー半島コタバルで実行されましたが、ガダルカナル上陸作戦では敵の手薄な地点に上陸してから米軍との戦いに向かう作戦が行われました。
ようやく水陸両用部隊
日本陸軍では師団など多くの部隊に上陸作戦ができる能力を持たせていましたが上陸専門または水陸両用部隊がいませんでした。
それは日本海軍も同じで海軍は艦艇や航空機の戦力強化には熱心でしたが陸上戦力にはそこまで熱心ではありませんでした。
太平洋戦争後期になると日本の勢力圏にある島々を守る為に海洋編制師団または海上機動旅団を陸軍は作ります。
これら師団や旅団には海上輸送部隊があり自分で海上を移動できる部隊となっていました。
持っている船は上陸用舟艇や民間の小型船舶であまり長距離の移動はできませんでした。
それでも海洋編制師団の特徴を生かした戦いとしてはペリリュー島攻防戦でパラオの第14師団が上陸用舟艇で数百人の増援をペリリューに送り込む事に成功しています。
旧陸軍ではとうとう海兵隊は生まれず作られた専門部隊は海上を移動する部隊に留まってしまいました。
eyecatch credit:作者 日本語: 日本軍English: Imperial Japanese Force [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由
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