死へと向かうための竹やり訓練

語り継ぐ

私のおばあちゃんの体験談です。何度か戦争の話は聞かされていますが、この話は私が小学6年生くらいに聞いたと思います。
お盆におばあちゃんの家に遊びに行って、戦争の特番を見ながら語ってくれました。

女学生と竹やり

私のおばあちゃんは日本海側の田舎町の出身で、海がとても近くてよく遊びに行っていたようです。
そしてこの話は私も小さいころに海水浴でよくいった浜辺での話です。

戦争末期、16歳くらいであったおばあちゃんは学校に通いつつ、工場などで手伝いをしていまいました。そして日本の状況がいよいよ宜しくないとなってきたころ、学校でも女学生も戦えるようにと頻繁に訓練が入るようになったそうです。

毎朝浜辺に集合させられるとそこで、長い竹やりを持たされて敵が海から上陸して来たことを想定して、槍で突くという訓練を何度も繰り返したと言います。小柄なおばあちゃんにとって槍はとても長く感じて、扱いにくくてしょうがなかったと言っていました。

By unknown Domei Tsushinsha日本語: 同盟通新社cameraman (Mainichi Newspaper Company日本語: 毎日新聞社) [Public domain], via Wikimedia Commons

ひたすた「えい、やあ」と掛け声を上げて海に向かって突き刺すのですが、しっかりと強く突けないと先生に怒鳴られるので、やっている時はとにかく必死だったと言っていました。

最初にこの話をしてくれた時には笑い話のように話してくれましたが、数年後にもう一度聞いた時には辛い思い出としても部分を聞かせてくれました。そもそも竹やりなんかで敵を倒せるとは誰も思っていなかったようで、どうせ死ぬのであれば一矢報いてやろうという感覚でやらされていたようです。

死の恐怖がありながらの訓練はとても辛く心のなかで泣きながらやっていたようです。
今でもおばあちゃんは健在ですが、夏になると毎年思い出すようで、時々あの時は嫌だったと語ってくれます。


Writing by ブーたん
プラモ好き