さて今さながらなのですが、闇市について話していきたいと思います。
戦後の時代を祖父に聞いた時、闇市の話を沢山と聞いたもので、祖父との想い出を語っていきます。
闇市とは
まず戦争や経済状態の悪化で物価を統制する事が出来ず、物資不足した状況における政府の経済統制に外れ、非合法に設けられる市場の事を闇市と言います。
戦後の日本もその流れに逆らえず、国の経済が不安定化していたせいで市場に物資が届かない状況が続いていたので、当然にそれを商売にしようとする輩が出てくるのは自然の理でもあり、祖父もそんな流れに逆らう事が出来ず、闇市で商売に関わる事になってしまいます。
闇市は無法地帯?
しかし闇市は、後の漫画や映画に登場する様な、無法地帯では無かったと祖父は語ります。
よく映画の中で、ヤクザ同士が抗争で拳銃を闇市の中で弾き、しょばの取り合いと抗争が多発し、警察やミリタリーポリスの介入など日常茶飯事だったのではと思いがちですが、祖父が商売を手伝っていた闇市はルールが設定され、それを破る事は許されない程、徹底された場所だったらしいです。
そこを取り仕切っていたのは皮肉にもヤクザなどの組織であり、彼らは商売を安定させる為に徹底とした裏工作に手をまわし、闇市の治安を維持していたと祖父は語ります。いわゆる経済ヤクザによる治安維持が成され、食料の販売や日用品の販売など比較的穏やかに出来ていたと語り、祖父も日々を食つなぐ事が出来たのは、あの闇市が平和だったからと語っていました。
しかしいつも順風満帆とは言えず、時には荒くれ者による襲撃や、食料を盗みに来る強盗団などもおり、油断して商売が出来るほど甘いものでは無かったとも語ります。
命懸けで働いた
闇市で商売をしなければ良いと祖父を説得する人も確かにいましたが、当時は闇市で働かなければ生きていけない程に経済はひどく、物はなかったのです。だったら物がある安全な田舎に疎開したらと語る人もいますが田舎は閉鎖的な場所が多く、また都会から疎開してきた人を警戒するなど、居場所を作るには相当の苦労が必要だったと語ってくれました。どこに行っても居場所などは無く、簡単に安穏と生きていけない厳しい時代だったのだと、祖父は生きる為に闇市で必死に働いたと語ります。
命懸けで働いたのはやはり闇市だったと、いつ抗争に巻き込まれるかと警戒しながら毎日を生きていた祖父。
しかしやがてそんな時代も時の流れで闇市は消えていき、かつて闇市があった場所は広場となっていき、あれだけいた人々はあっさりと消えたと、祖父はどこか寂しそうに語っていたことを時折思い出します。
そして
そして祖父は、二度とあんな場所は出来ないでほしいと語り、商売は気楽に出来る方が良いと語り終えます。
闇市と様々な形で描かれて歴史が刻まれていた場所。
祖父の思い出話が、少しでも、闇市のイメージを変えてくれればと思います。
eyecatch source:English: US military Photograph日本語: アメリカ国防総省の写真, Public domain, via Wikimedia Commons
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