ブルーインパルスの知られざる苦悩

  • 2020-09-07
  • 2020-09-09
  • 戦史
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ブルーインパルスといえば空自パイロットのステータスのはずですが・・・・いったいどうなのでしょうか?

ブルーインパルスはステータス?

ブルーインパルスには空自の戦闘機パイロットの中でも最優秀の者が配属されています。
即ちそれは空自パイロットにおけるステータスのはずなのですが、実はブルーインパルスへの配属を敬遠するパイロットが意外に多いのです。

ブルーインパルスは教育飛行隊の付属部隊なので、第一線の戦闘機隊と違って組織的には二線級の位置付けです。
従って最新鋭機は戦闘機隊に配備され、常に旧型機が使用されました。

現在の主力戦闘機がF15で、F35も導入が始まっている戦闘機隊に対し、ブルーインパルスはT4練習機が使われています。
単純に考えて戦闘機パイロットとしてどちらを操縦してみたいかは明らかです。
戦闘機パイロットが本音で求めているのは、最強の戦闘機を操って敵と相対し国防を担うことで、決して第二線の後方任務ではありません。

そしてその苛酷な任務に耐え得るパイロット寿命はそう長くはありません。
現在ではブルーインパルスの任期は3年となっていますが、 過去には8年間在籍したパイロットもいました。
彼は優秀故に抜擢されてブルーインパルスに配属され、8年後には第一線に戻れる年齢を過ぎていました。
退官後、民間旅客機のパイロットになった彼にとって、元ブルーインパルスの肩書は民間会社では十分なステータスとなりましたが、本人にとっては不本意な思いを残すものでした。

アグレッサー

アグレッサーとは仮想の敵役を務める、いうなれば侵略者のこと。
空自でこの名で呼ばれる飛行部隊の制式名称は飛行教導群で、戦闘機部隊のパイロットに必要な、実戦に即した空技の向上を目的に、各基地を巡回して指導を行う飛行部隊です。

その指導方法のメインが、自らがミグなど仮想敵機となって、その空技をもって空自パイロットと相対する模擬空戦なので、彼らはアグレッサーと称されるのです。

ですから教導群のパイロットは技量が飛び抜けて優れていることはもちろん、仮想敵機の性能・特性とその戦闘機を使っている仮想敵国の運用方法を熟知していることが必要です。
即ち技量と経験において、空自でも群を抜いた最優秀パイロットの集まりだということです。

ブルーインパルスのパイロットでも同様の優秀性が求められるのですが、その主目的は広報活動であり、敵機を撃墜するという戦闘機本来の目的を追求する教導群とは活動の内容は全く違います。
戦闘機パイロットがどちらをステータスとするかは言うまでもありません。

あるパイロットはこう言いました。
「ブルーインパルスの曲技飛行は観客を喜ばせる目的だから戦闘機の世界ではない。
戦闘機パイロットはファイターであり続けなけらばならないのです。だから曲技など本当はやりたくはない。
空自の認知度を上げ、空自全体の士気を鼓舞するというブルーインパルスの任務の重要性は分りますが」


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※画像はイメージです。
参照 ブルーインパルス 武田頼政 著

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