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忘れられない、強く握った手。

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昔学生の頃に学校の行事で広島ドームに行った時の話です。
様々な悲惨なパネルやドームを見たあと、幼いながらも恐怖やいたたまれない現実に遭遇し、思い想いの時間を過ごしたあと広間に集められました。

そこには微笑みをたたえた、おばあさまがいらっしゃり、続々と集まってくる私達に「よく来たね」「いらっしゃい」と温かく優しい声で声をかけて下さりました。ひと段落して引率の先生が「それではおばあさんから戦争体験を皆で聞きましょう」と言い、それまで浮ついて自分たちは不思議な感覚で、前に立っているおばあさまを見つめました。

少し小さな声でおばあさまは話始めました。

まだ私が小さな頃のことです。戦争は良いものなんだとお国の偉い人はいうもんだけど、私達には哀しく辛いものでしたが、でもそんなこと言ったら、国の敵になってしまうから、みんなが耐えていました。

日本は勝ってるなんて言われてもね、全然実感なんかわかなくて・・・赤紙という兵隊に強制的にされてしまう通知がお父さんやお兄さんなんかに来たときは、抱きしめあって震えて寝ました。

おめでとうなんて誰も本心では思ってないけど、口にすることさえいけない時代だったからね。

みんなぎゅと拳握ってね。
お母さんも必死に耐えてた。
みんな必死に耐えてました。

ある日ねサイレンがなってね、近くの防空壕に急いで逃げたんです。
その時は友人と一緒にちょっと出てた時で、家のことなんか心配しながら、多くの知らない人とともに震えてた。でやっと安心かなと思って家に帰ることにした。

そしたらまた家路のときに、サイレンがなったとたんにドカンっ!ホントにびっくりした。
ホントに近くに落ちて屋根がある場所がなくって、最初は逃げ惑う人をどうにか押し分けて、友人の手を必死につかんで逃げ惑ってた。

みんな必死で必死で。
どこに向かってるのかもわからないくらい必死で。

そのうち私が躓いて倒れて、その拍子で友人も倒れて、もう怖いくて動けないから、二人でちょうど2個あった岩陰にね隠れたの。
ドカンドカンいってて。でふと目の前を見たらね飛んでくるの。
一瞬だった。でも永遠にも感じ、何もできない、怖くてぎゅっとね友達の手を握ってね。
その子も握り返してくれて。

ぎゅって目をつむって、もう怖いからつむってぎゅって。
どれくらいたったか、一瞬だったのかも。ふと気づいたら辺りが静かになったから。

目をあけて、ぁあよかった。
生きてたって、よかったって。

握ってた手に気づいて、友人を見たらね。
腕から先が無かったの。
それからどんな風に帰ったか覚えてないね。

だからね戦争は、絶対してはだめなんだよ。

と私達に語ってくれました。
話しているうちにだんだんと真剣に、そして悲しげな時には辛そうな顔が、大人になった今でも忘れられません。

※写真はイメージです。

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