神話とは過去を描いたものという認識があるが、必ずしもそうではない。
北欧神話におけるラグナロクは未来の争いであり、キリスト教の黙示録も同様だ。
そう考えると、現在過去のものと認識されている神話も、実は予言書になっている可能性がある。
ここでは、我々に身近な日本神話をこの視点で見て行こう。
歴史は繰り返す
日本神話は過去の事に決まっている、と思うかも知れない。
確かにある程度の論拠をもって、過去の出来事との符号は語られる。
だが「歴史は繰り返す」という言葉がある。
過去に起きた事に符号するものが、再び後の時代に符号する事があるのではないか。
すなわち、神話が表すものはループしているとは、考えられないだろうか。
還暦という言葉がある。
十干十二支を一巡させるた60年経ち、誕生年の干支に還る事を意味する。
十干十二支は占いの根拠にされる事も多い区切りだ。
これが循環するというのはつまり、運命を左右する事件が、一定間隔で起きるという事になる。
その「事件」は、戦乱であったり、疫病であったり、地震であったり、大きな技術的なブレイクスルーであったり、権力者の移り変わりであったりするだろう。
ここで起きる事件は、何かしら共通した要素がある筈だ。さもなければ、循環の枠をはみ出してしまうだろう。
循環する歴史
古事記に描かれる日本神話は、大雑把に言えば、
- 伊邪那岐命・伊邪那美命によって日本が作られる
- 伊邪那美命が死に、黄泉と現世が区切られる
- 天照大神、月読尊、素戔嗚尊が生まれる
- 天照大神が岩戸に隠れ、出て来る
- 素戔嗚尊が地上に降り立つ
- 八岐大蛇を退治
- 櫛名田比売命を妻とし、身を固め、大国主命を婿いびりする
という流れがある。
ここに出て来る流れはすなわち、
- 創造の時代
- 世界の変革
- 次代の権威の登場
- 権威の失墜と復権
- 新たな権威の確立
- 大きな災厄の討伐
- 次の世代に移る
となる。
神話の時代を終えた、飛鳥時代以降について考えれば、
- 平安京遷都
- 貴族による荘園制の横行
- 武士の台頭
- 源平の戦い
- 鎌倉幕府の成立
- 元寇の撃退
- 室町時代へ
- 南北朝時代の統一
- 守護体制の確立
- 応仁の乱
- 戦国時代
- 豊臣秀吉による天下統一
- 関ヶ原の戦い、欧州の植民地化回避
- 江戸時代へ
以下、
1.江戸時代 ~ 中略 ~ 6.西南戦争、欧米列強の植民地化回避
1.明治時代 ~ 中略 ~ 6.日露戦争、欧米列強の植民地化回避
1.大正時代 ~ 中略 ~ 6.太平洋戦争(ソ連侵攻)、欧米列強の植民地化回避
と、ループし、現在に至る。
- GHQによる占領下の復興
- 国体の復権
- 高度経済成長期(企業の時代)
- テレビの台頭(オールドメディアの時代)
- インターネットの台頭(現メディアの時代)
- ・・・・?
そう。
今、正に八岐大蛇と対峙するタイミングの可能性があるのだ。
現代の予言書群
討伐すべき八岐大蛇は何だろうか?
直近には、ロシアが思い浮かぶが、直接戦争状態に入っている訳ではない。
むしろ、コロナウィルスの方が、近いだろう。
だが、我々はもっと遠い視点を持たねばならない。
神話ループにおいて、数百年は誤差だ。
ここで参照すべきは、他の「予言書」である。
近代における「予言書」とは、すなわちSF作品である。
こと、科学技術発展において、これだけ多くのものを「予言」した文書群はない。
「予言」は、スピリチュアルなものとは限らない。緻密な論理による、当然合理的な予測であったとしても、そのロジックを理解出来ない人々にとって、魔法と変わりがない。
後世において、オカルト棚に『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』『時間旅行者ジョン・タイターの話』がひっそり並ぶ中、同カテゴリとして『ファウンデーション』や『宇宙の戦士』『1984年』が平積みにされる事は十分あり得る。
では、八岐大蛇を予言したSF作品があるのか?
ある、かも知れない。
次に訪れる八岐大蛇とは
その作品において、
- 世界を破滅させるに十分な力を持つ(災厄)
- 8つの国家を象徴するキャラクタが登場する(8つの頭)
- 稲に対する嗜好が見られる(米から作る酒を好み、奇稲田姫を食べようとした)
- 巨大な口、耳のない頭(ヘビの一般的形態)
- ホオズキ(カガチ)を思わせる、赤い玉が2つ(万葉集における目の描写)
- 水竜(ドラゴン)を連想する名前。
お分かりだろう。『ドラえもん』 である。
他の首は当然「ドラえもんズ」だ。
7国ではないか、と思うなら、中華民国と中華人民共和国が1国に見えるのか、と問いたい。
好物はどら焼きと思うなら、てんとう虫コミックスの第1話を見るが良い。彼が最初に喰ったのは餅だ。その後、2巻では129個を食べる前提で、最後の1個をのび太と争う程の常軌を逸した餅好きだ。どら焼きは後付け設定と言える。
予言書がある種の霊感で描かれたとすれば、最初に描かれたものの方にこそ、より純粋な本質があろう。
ドラえもんが予言書である事に、是非はなかろう。
ドラえもんの予言性については、既に幾つかの道具によって証明されている。
スマホを極めて具体的に予言していた「おこのみボックス」は特に有名だろう。
すなわち、未来において、8国が関わる何かが、時代を脅かす八岐大蛇になるという事だ。
直接的に同盟を結んで大戦を起こすとは限らず、経済や環境に関わる問題かも知れず、思想的な改革かも知れない。
恐ろしいのは、日本自体が首の1つに含まれている事だ。
我々は我々の手で災厄を呼び寄せるのか。
人類はこの八岐大蛇を討伐出来るのか、そして、その後表れる「雨の叢雲」とは、一体何なのか。
その日のため、我々は何を備えられるだろう。
酒壺に代わるものは、何か?
※画像はイメージです。
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