日本人であることに誇りを持ち生き残る

この話は、私が小学生低学年の頃、母方のおじいちゃんに聞いた話です。
戦争とは酷いものだと体を強張らせながら、話を聞き入った記憶が有ります。

おじいちゃんは世界大戦の末期、日本人としてロシアに捕虜として捕まえられていました。
毎日毎日ご飯もろくに与えられず空腹で、お腹をすかせた仲間は飢えを我慢できず、仲間の死体を食べて生き長らえていたそうですが、おじいちゃんは、どんなにお腹を空かせても、仲間の日本人を食べる気にはなれなかったそうです。

ロシアの軍人は日本人に酷い仕打ちをして、労働でこき使い、気まぐれに鉄砲で仲間たちが次々と殺していきます。
そしてある日の晩、 ロシア人はおじいちゃん達に 向かって 言いました。

「この中で面白いことをできる人間はいるか ?」
「もし俺達を笑わせることができたら 、このパンを分けてやる !」

お腹が減っていたおじいちゃん達は必死に何かできないか、一芸を考えましたが・・・もしそれが面白くなかった時は鉄砲で撃ち殺されるのではないかと心配になったそうです 。
ですが、どうしてもパンが欲しかった、おじいちゃんは 勇気を出して 「自分は踊りが得意です !」と申し出たそうです。

雪の降る中 凍えて死んで しまうのではないかと思いましたが、 なんとか生きて日本に帰りたい!お腹を満たして 生き延びたい !と一念発起し、 着ていた服を全部脱いで おじいちゃんはロシア人の前に 凍えながらバッ!と直立し、 大声で 「始めます!!」 と叫び たした。

そして一生懸命に、 どじょうすくいを踊ったそうです。
それを見たロシア の軍人たちは 本当におかしそうにお腹を抱えて笑い、 おじいちゃんにパンをくれたそうです。

おじいちゃんはほっとして そのパンを 仲間と一緒に一口ずつ分け合って食べたと話していました 。

それから毎日、ロシアの軍人達は 夜になるとおじいちゃんを呼び出し 、どじょうすくいを躍るように言われたと話していました。
笑い者にされても日本人であることに誇りを持ち、絶対に 死んだ仲間たちのためにも 生き残ってやるぞー!と 毎日毎日リクエストされる、どじょうすくいを踊り続けたそうです 。

私はおじいちゃんって本当にすごい人だな。
自分が同じ立場なら そんなことできるのかな。
やはり怖くて出来ないだろうなぁと思いました。

生きて 日本に帰ってきてくれたから、おばあちゃんと結婚してお母さんが生まれ、お母さんが私を産んでくれ たのです 。
おじいちゃん生きていてくれて有難う。
私はロシア人の前でも全力でどじょうすくい踊った、おじいちゃんを誇りに思います。

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