ドキドキ感がクセになる「ドラゴンヘッド」

「ドラゴンヘッド」は発売から随分とときが経っていますが、いまもなお色あせないサバイバル漫画の名作として名を馳せている作品です。

何が起こったのか?分からないドキドキ感

ドラゴンヘッドの物語は修学旅行から帰る途中の新幹線の車内で突然何らかの事故が発生し、トンネルの中に閉じ込められてしまうところから始まります。

今もなお大きな事故を起こしたことのない新幹線が事故に巻き込まれるという不吉な描写から始まることになるわけですが、それは単なる新幹線の事故ではなく日本の存続が危ぶまれるほどの危機的な状況であることがだんだんと分かってくるのです。
暗闇の中で意識を取り戻した中学生のテルは、そこに広がる惨状を目の当たりにしながら生存者のアコとともにトンネルを脱出し東京を目指して歩き始めます。
テルもアコもこの事故の原因がどこにあるのかは分かっておらず、それは読者も同様です。

そのため作中で少しずつ日本がどのような状況なのかが分かってくることでテルやアコたちと同じタイミングで驚くことができるので、読んでいくうちに自分が体験しているような気分になってくるといった臨場感もある作品です。

多くの恐怖が描かれている作品

ドラゴンヘッドでは大災害による命の危険や先行きの分からない不安のほかにも極限状態に陥った際の人間の恐怖なども多く描かれており、法の秩序が保てなくなった状況で人間がどのように行動するのかなどの描写がなされているところも興味深い点です。

今まで存在していた正義や正しい価値観が崩壊してしまうと、それまででは考えられないような極端な考え方や思想がその場を支配してしまう様子や、逆にそれでもなお冷静に自分の価値観にしたがって行動している人々の様子など、集団心理の恐ろしさや人間の汚さなども垣間見えてパニック作品として非常に完成度の高い作品だと思います。

全10巻と読みやすいので怖いもの見たさのようなドキドキ感を味わいたい方にはおすすめです。

(C) ドラゴンヘッド 望月峯太郎 講談社/週刊ヤングマガジン

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