ドリームキャッチャーは怖いモノ？！運が上昇するハズだったのに？

僕と親友のＢは就活に励んでいましたが、大学の卒業が近づいても内定がもらえず焦っていました。
ある日、気分転換に二人で散歩していると通りかかった公園でフリーマーケットが催され、なにか面白い掘り出し物はないか？と立ち寄ったのが始まりです。

フリマで買ったドリームキャッチャー

その中でも一際怪しい雰囲気を醸し出す、見た目から中南米系の外人が出店しているお店が目につきました。
そういった感じの物が大好きなＢは躊躇している僕をよそにフラッと店に近寄り、なにやら店主と話をして戻ってきて「これ買ったさ」と商品を見せてきます。

それは「ドリームキャッチャー」と呼ばれるアメリカインディアンの伝統的なお守りだそうです。
「悪夢を網でとらえてくれて魔よけの効果もあるんだって、就活が上手くいかないのは運がないからで、これで内定確定だー！！」とはしゃいでいます。

網の部分が繊細に編み込まれた手が込んだ装飾からとても高い商品に見えたのと、店主が怪しすぎるのでボッタクれたのではと思い値段を聞くと「600円」だと。
まあそれぐらいの金額なら、効果があっても無くても笑い話で済むことなので「いい買い物が出来たね」と声をかけたのでした。

良い事があった？

次の日から、Ｂは毎日のようにドリームキャッチャーの話をするようになりました。
最初のうちは「良い夢をみるようになった」とか「ちょっと良いことがあった」と嬉しい報告が続いていたのですが、次第に「金縛りに合うようになった」から始まり「ドリームキャッチャーの網の部分からなにかが出てきた」と段々不気味な内容に変化していき、話している内容や状況が全く理解できなくなってきた頃に、Ｂは大学に来なくなった。

僕は心配になりＢの家に様子を見に行くといつもと違う様子。Ｂは僕を家に入れてくれたのですが、ずっとブツブツと独り言の様な物をつぶやいています。
僕は「大丈夫か？」と声をかけると、すこし苦しそうの話を始めました。

Ｂいわく・・・
「寝るたびに網の中から少しずつ何かが出てくる。よく見ると人のような物で、最初は頭頂部だったけど、今では肩まで出てきている。なのに顔が見えないんだ。」
「顔が真っ黒くて、体形や髪の毛で女性ってわかるのだけれども、何かわからないんだ。」
話が突然途切れて、数秒ぐらいの沈黙が流れたあと、「助けてくれよ！助けてくれよ！助けてくれよ！」と何回も叫び始めたのです！！

壁に飾ってあった「ドリームキャッチャー」をとっさに掴みとり、力任せにバラバラにしてゴミ箱に投げ込むとBは魂が抜けたように固まってしまい、怖くなって逃げるように帰宅しました。

解決したはず？

原因の「ドリームキャッチャー」を壊して全て解決と思ったのですが、Bは大学に登校して来ない・・・数日して携帯に連絡が来ました。

「ドリームキャッチャーが無くても、アレは影から出てこようとくるんだ。出きったらきっと俺は殺される」
僕は急いでＢの家に行き、呼び鈴をならしても返答がありません。留守かとおもったのですがドアには鍵がかかってなく、部屋の中に入ってみると、いままでいた形跡はあるのですが・・・それから連絡が付かなくなった。

その後、Bがどうなったのかを知ったのは卒業式の間際でした。
ご両親から連絡があって、持病が悪化してあっけなく亡くなってしまったというのです。

気になって調べてみたのですが、ドリームキャッチャーは網の部分で良い夢をだけ通し悪夢を引っかけて朝日で浄化する魔除けであるらしい。
もしかしたら悪夢以上のなにかがひっかかり、ドリームキャッチャーを壊した事で解き放されてしまったのではないか？
もし僕が壊さなければ、Bが死ぬことが無かったのではないかと・・・今でも後悔しています。