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お爺ちゃんの外国語講座

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私が小学生だった頃の夏休み、終戦記念日にお爺ちゃんがぽそりと私にこんな話を語ってくれました。

「お爺ちゃんは戦争の時、中国に居たんだ」

そんな話から戦争での詳しい話はしてくれませんでしたが、その時に負傷して左手の手首が曲げられなくなった事等は教えてくれました。

「ホーアイニーって日本語で何と言う意味か、知ってるか?
英語だったらアイラブユーだ」

小学生だった私は中国語どころか英語もわからないのにお爺ちゃんは笑いながら聞いてきました。
勿論私は知らないよ、と言います。

お爺ちゃんはニヤニヤしながら、
「私はアナタを愛しています」
と、教えてくれました。

他にも私が言った言葉を中国語で教えてくれましたが、私がその時、覚えた言葉はホーアイニーだけでした。

後は、犬は赤毛の犬が美味しいとか、カエルは鶏肉みたいで美味しいんだぞと食べ物の話になりました。
今思えば戦時中食べ物も足りなく、生き伸びる為に普段食べる事の無い動物を殺めて来た事を、子どもの私に大変だった事より美味しかったんだと面白く話す事で、残酷さとか悲惨な事を伝えたくなかったのかな・・・と思いました。

後になって母が教えてくれましたが、お爺ちゃんは中国でスパイの様な事をしてたらしく、戦争が終わってもなかなか日本には帰国できなく、連絡もなく半ば家族が諦めかけた頃、ようやく家族の元に帰ってこれたと言う事を聞きました。

「俺は中国でモテたんだぞ、だから中国語がデキるんだ」

そう、威張って中国語で話しているお爺ちゃんの言っている意味はわかりませんでしたが、意味がわかったら日本語では話せない大変な出来事、子どもには伝えられない話をしていたのかな?
等と大人になって学校の授業やテレビで大変だった戦争の事を知るとお爺ちゃんは何をあの時語っていたんだろうと思います。

身体でその場所で体験した人と後に語りを聞いた人では全く経験が違うんだろうな、今ではその語れる人達も少なくなり、戦争の事は書物の文字やテレビでの映像でしか教えられない時代になってきたのでしょう。

映像で見ると悲惨だと思える事も体験した来たお爺ちゃんから聞いた戦争はその中でも楽しい事はあるんだよって教えてくれたのかなと思いました。

※画像はイメージです。

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