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ゴトゴト石の祟りは起きるのか

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2022年11月、高知県にある巨岩、通称「ゴトゴト石」が人為的に動かなくされているのを、観光客が発見した。
高知県警は、器物損壊として捜査、ほぼ1年後の2023年11月末に、20代の大学生7名を書類送検したという。
この手のオカルトスポットへの冒涜行為は、実際のところ祟りなどに繋がるものだろうか?

目次

ゴトゴト石は、何について祟るべきか?

ゴトゴト石とは、高さ2m、重さ5トン程の岩で、押すと揺れるが、決して落ちる事がないため、「落ちない」事を良しとする受験や選挙に利益があるものとされていた。

オカルトを離れて考えれば、落ちないのは重心の問題で、いわゆる「起き上がり小法師」の要領で、復元力が非常に強い形状だった、と考えれば良い。
7名の不逞の輩は、落とそうとしたようだが、重心の定まった5トンの起き上がり小法師には歯が立たなかった。
といえ、これは言ってみれば単なる岩であり、利益は価値を感じるのは、人の中の問題でしかない。
当然、犯人に祟りが生じるというのも、単なる偶然や罪悪感程度の話である。

一方、オカルトの文脈で考えた場合、岩は揺れなくなっただけであって、「落ちない」という結果は変わってはいない。御利益も「落ちない」事であり、むしろ「落ちそう」な要素もなくなったのだから、何も祟る要素はないのではないか、とも言える。

罰なくば罪は終わらず

だとしたら、「若気の至りによる器物損壊で、こっぴどくしかられた」という、輝かしい青春の思い出の1ページとしてこの話は終わり、彼らは祟りを気にする必要がないのだろうか。

祟り神の類は、冒涜ラインがかなり低かったり独特だったりするので、人が踏み越えやすい。
善とされる神であっても、ラインを越えれば怒る。神道の神なら荒魂を持つし、慈悲の化身のような地蔵菩薩も、閻魔大王というそこそこ激しい面を持っている。

この時、自然物の延長であるゴトゴト石は、アニミズム的神格を持った、八百万の神の一柱と解釈すべきだろう。
こういう神は、妖怪の類と地続きの、そこそこ祟りラインの低い神だ。

そんな神が祟らないのは、むしろ加害者にとっても落ち着かない事だろう。今ここで罰がなければ、未来のどこでどんな罰が下るか分からない。
祟りの本質は、冒涜的な行為や振る舞いに対する「罰」による警告であるが、同時に罪が「罰」によって完了したという、救済の意味もあろう。

ゴトゴト石は、どう祟る?

ゴトゴト石は、どのように祟るだろう。

犯人が「落とした」のであれば簡単だ。
同じ高さだけ落下するのも良いし、彼らが帰り道で落石に車ごと押し潰されているなら、なお芸術点が高い。
こういう、形態を真似た「目には目を」のメソポタミックな祟りはメジャーだし、祟られる方も腑に落ちる。遺族も心の整理が付き、先に進める。村人も、今後してはいけない事がよく分かり、集落の学びの機会になる。
全ての人が丸く収まり、発展に繋がる素敵な祟りだ。

しかし今回のゴトゴト石は、「落ちない」ままだ。
これはどうすべきだろうか。
落下できない祟りという事で、体重がゼロになるというパターンはありそうだ。文房具を大量に持たないと風に飛ばされるなら、かなりダメージはありそうだ。
だが、そうではない、と考えるべきだ。
彼らのやらかした事は、「動かなくさせた」事である。
従って、祟り方は、何らかの「動きを封じる」という形で表れると美しくまとまり、祟り判定もしやすくなるだろう。

彼らに何が起こったか

「動けない」事が祟りになり得るなら、案外既に発生しているのでははかろうか。

現時点で、犯人の特定される情報は、公表されていないようだが、昨今の相互の興味監視んが高いSNS社会で流出すれば、炎上間違い無しだろう。
彼らが個人特定されないよう、SNSの類から離れ、うっかり話題に出さないようにし、人との関わりも随分狭くしている可能性は高い。
実際には逮捕起訴されており、前科になっているというなら、履歴書記載も必要になり、選べる職場も随分狭くなっている筈だ。
その窮屈さは、正しく「動けない」祟りそのものだ。

今後、「ゴトゴトしなくなった石」が、復旧され、動くようになった時、祟りは終わるのだろうか。
それとも、動けなかった間に溜まったエネルギーが、最後の一撃になるのだろうか。
是非とも、復旧して欲しいものである。

※画像はイメージです。

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