いつも明るい祖母の告白

子供の頃、祖母との何気ない会話から戦争体験の話になりました。
祖母からその時初めて戦争の話を聞きました。そして祖母は、それ以降一度も戦争の話はしませんでした。

いつも明るい祖母は社交的でおしゃべりが大好きだったのですが、よく考えると戦争の話だけはしませんでした。
戦争を体験していてもおかしくはない年齢ですが、私からも一度も聞いたことがありませんでした。
その日は祖母と映画の話をしていました。

映画館で映画を観るのが大好きな祖母と、その時何を観に行こうか・・・という会話でした。
ちょうどその頃、洋画で何か戦争映画が流行っていたので、その映画を提案してみました。

すると祖母は、それまで見たことがない表情になり「戦争映画は観ないようにしている」と言いました。
子供心に何か感じたのを覚えています。

私が黙っていると、祖母から話し始めました。
「大阪大空襲を経験した」ということでした。

■空襲後の大阪市街
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第二次世界大戦末期にアメリカ軍が、大阪市を中心に繰り返し無差別に爆撃したというもので、空襲により一般市民が1万人以上亡くなりました。

祖母は「その時のことが忘れられない」と涙ぐみました。
友人と一緒に必死に逃げたそうです。

隣で一緒に走って逃げていた友人が、急に視界から消えたそうです。
立ち止まって振り返ってみると、友人はバッタリと倒れて亡くなっていたそうです。
祖母が足が震えて、うまく走れなくなったそうです。
それでも必死に走って、祖母は生き延びたのだそうです。

すぐ横にいた友人には、爆弾が当たったのだとわかったそうです。

「その事を今でも考えてしまう」
「その時の景色が忘れられない」
祖母はそう言いました。

まさかそんな壮絶な体験をしていたとは思いもしませんでした。
祖母がつないでくれた命の大切さを胸に、いつか自分の子供にも語り継ぐべきだと思っています。


Writing by ゆう

今年のクリスマスケーキは何にしようか迷っている主婦です。

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