これは無口だったおじいちゃんから聞いた、おじいちゃんの幼少期の戦争の話です。
私の祖父は子どもの時に戦争を体験した世代の人です。
自ら戦争時代のはなしをするような人ではなかったのですが、私がテレビを見ながら外人はかっこいいなと話しているのを聞いて、おじいちゃんは外人さんを見ると今でも緊張してしまうと重い口を開いたのです。
幼い頃に教えられた事
まだ小さかったおじいちゃんは戦争に駆り出されることはなく、農家をしていたため周りよりも恵まれた生活を送っていたと話し出しました。
空襲で畑がだめになったりもしたものの、何とか生きてこられたと。
おじいちゃんは小さい頃から両親や学校の先生から、外人を見たら隠れるようにと教わっていたようです。
捕まったら生きては帰ることが出来ない、日本人を捕まえるために日本語を使って近づいてくるけれど、絶対に信用してはいけないし、たとえ食べ物を渡されても、両親が呼んでいると言っていたとしても逃げて隠れるようにと言われてそだったため、おじいちゃんにとって外国人というのは幽霊よりも怖い存在であったらしいのです。
怖い思い出
戦争真っ只中のある日、両親はどこへでかけてしまい、おじいちゃんは家に1人でした。
外が騒がしくなったことに気がついて出てみると、外国人が歩いているのが目に入ったのです。
こんな田舎になんで外国人がと怯えながら、逃げることも出来ずに漬け物を入れている床下に身を潜めることにしました。
早くしないと連れていかれると、慌ておののき漬け物が入った壺を取りだし、漬け物の臭いがするなかに体を丸めて息を潜めます。
するとどういうわけか、外国人の話し声とゆっくり歩く足音が聞こえ、身を潜めている上を明らかに通っている音も聞こえてくるのでした。
「見つかる、見つかる」とそのまま恐怖で意識を失ったのです。
目を覚ますとまだ床下で、そっと出ていくと外国人の姿はなかったようなのです。
もしもあの時みつかっていたらどうなっていたのか分からないけれど、空襲よりも敵が近くにいるという恐怖が戦争体験で最も怖かった。
もう人を見て怖いと思う時代はこりごりだよとそっと語ってくれたのでした。
※画像はイメージです。
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