架空の島国アリストリアが舞台の本格的なミリタリー漫画 GROUNDLESS(グランドレス)。
島国アリストリアは腸腐れという疫病がきっかけに、感染防止を理由に母体である大陸政府軍は軍事力を駆使して封鎖。
しばらくして島内でワクチンが作られ疫病が沈静化したにも関わらず、大陸政府は処置を続行。増大する社会不安を打破できない島の中央議会に反発して各地の市民が暴徒化し、さらに島内では「大陸統治論」という書物の影響を受け、暴徒化した市民が「アストリア開放市民軍」を名乗り武装蜂起し不安定な状況に陥ります。
主人公のソフィアは武器商の夫と娘と幸せに暮らしていました。ある日、軍の大佐が武器の大口発注をしてきました。
喜びも束の間、反乱軍と裏で繋がっていた大佐の陰謀によって、ソフィアは反乱軍に夫を銃殺され、自身も撃たれ、最愛の幼い娘ナディアをも奪われてします。
左目をうしないながらも一命を取りとめたソフィアは、夫が家に残したレアな形見の狙撃銃を手に、娘を取り返すのと復讐の手段をもとめてダシア市の自警団に入団するのでした。
最初は挫折ばかりですが次第に力を付け頭角を顕にし、やがて後に行動を共にする相棒のモンドと共に大佐を狙撃に成功し復讐を果たします。
その後、娘を無事に取り返しますが、流行病に罹っていて治療の為に娘を親戚に預け、一度は離脱した自警団に再入団し戦いの渦中に投じて行き、徐々にソフィアを取り巻く人間関係。自警団の他に軍や反乱軍。様々な勢力関係や裏事情等、複雑さが判明していきます。
この漫画のもうひとつの魅力は武器や戦車、戦闘、戦術などリアルな描写。
登場する兵器は作者によるオリジナルで、現実の世界では第一次から二次大戦ぐらいのテクノロジーレベルの設定でリアリティがあり、銃撃のシーンや攻防は熱くなります。
戦車の動きや攻撃も描写が細やかで研究されていて、反乱軍のゲリラ的戦法や戦術もなかなかの見ごたえ。
何よりも引きつけられるのは、ソフィアが悩み、迷いながらも成長していく様で、厳しさ、切なさ、残酷さの中にも勇気や希望のかけらが残る作品。
ミリタリー漫画の中でアニメ化してほしい候補の一つです。
(C) GROUNDLESS 影待蛍太 アクションコミックス/双葉社
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