甲冑は身体を守る為のものです。当然、武器の変遷に応じてその形態は変化していきました。

甲冑の衰退

武器が刀、槍、弓矢などだった時代には、甲冑は防御用具として当然機能していました。
そればかりか、総大将や侍大将などの指揮官は、その姿を雄々しく、美しく、神々しく見せる為に立派な甲冑を身にまとって、敵を威圧し味方を鼓舞しました。

しかし鉄砲つまり銃の登場が甲冑の在り方を一変させます。
飛び道具としての矢は甲冑で防げましたが、鉄砲の射程や威力の進歩によってその弾は甲冑を貫通するようになっていきます。

そうなると目立つ姿の大将級の武士は絶好の狙撃対象となり、危険度が高まります。
それでも戦国期の鉄砲の性能では、武将達に甲冑を捨てさせるほど危険は大きくありませんでした。

日本では戦国期が終わると同時に戦争のない江戸時代が始まりますが、欧州では銃の普及は甲冑を駆逐してしまいます。
欧米で進化した銃が日本で活躍するのは、幕末の動乱が始まってからです。
この時に甲冑が一切用いられなかったのは、発達した銃に対し甲冑が全く用を為さなかったからです。

軍服の登場

銃の普及で甲冑が廃れた欧州では、動き易いように軽装になり軍服の着用が始まります。
戦列歩兵など戦闘形態の変化と硝煙による見通しの悪さから、兵士たちの軍服の色形を統一して識別し易くしたのです。

当時の銃は単発で射程が短いので、射程外の距離で敵に先に発砲させてから突撃を敢行しました。
この為に硝煙渦巻く戦場で敵の距離感を惑わす目的で背の高い軍帽を被り、派手な色模様の軍服を着用しました。

現在、バッキンガム宮殿などで英国近衛兵が着用している、あの有名な軍服軍帽はその名残です。

その後、さらに銃が進歩して射程が長くなり、無煙火薬が登場すると、派手な軍服では目標になり易いので、周囲に溶け込む様な地味な色合いの軍服に変わっていきます。
また同じ理由で、それまで兵卒とは一線を画していた指揮官の軍服が、一般兵士と同じ色形になっていきました。

Henryk NiestrójによるPixabayからの画像

第一次大戦の頃には、さらに銃の性能は改良され大砲の性能も向上した為に、布・皮製の軍帽に代わって頭部保護に有効な鉄兜の着用が始まります。
以後、防弾ベスト、防毒マスク、対化学兵器防護服と、軍服は絶え間なく変化進歩しています。


Writing by 歴史大好き爺さん

攻撃と防御のいたちごっこ。永遠の繰り返しです。

※画像はイメージです。

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