海上自衛隊がさり気なく制作協力をしていたアニメ、『はいふり』こと『ハイスクール・フリート』ですが、戦車を題材にしたアニメ『ガルパン(ガールズ・アンド・パンツァー)』ほど人気が出なかった原因の1つとして、やはり、視聴者からすれば聴き慣れない用語にあったのかな?とも思ったのでした。
そこで今回改めて、『はいふり』で使われた用語について考察します。
専門用語を使わなかった『ガルパン』に対して
戦車の3Dモデルでの動きも良かった『ガルパン』ですが、テレビ本編・OVA(アンツィオ戦)・映画共に、専門用語をほとんど使っていないこと、使っていたとしても、アニメ本編で解説(例えば「シュトルヒ」という測定単位とか)しているということで、視聴者にしてもそれほど意識せずに自然と作品世界に入り込むことが出来たように思います。
対して『はいふり』では、「面舵(おもかじ)」「取舵(とりかじ)」など、耳にしたことはあるけれど、その意味となると「?」となる人が多い専門用語(海軍用語)が登場し、本編中でも解説されることがなかったことが、作品の「とっつきにくさ」の1つになったように思います。
そこで、本編中によく登場した用語について、改めてみていきたいと思います。
「面舵(おもかじ)」「取舵(とりかじ)」は船の舵を向けること
艦長である、岬明乃が航海長の知床鈴に船の進む方向や速度を指示して、それについて鈴が復唱して応えるという場面が本編中よく描かれていますが、まずは「ようそろ(漢字で描くと「宜候」)」、本来の意味は「船を直進させる」意味なのですが、ここから転じて、旧帝國海軍や現在の海自では「了解しました」という意味になっているとか。実際、アニメ中でも「了解」の意味で鈴がよく言っていましたね。
そして、「面舵(おもかじ)」「取舵(とりかじ)」ですが、「面舵」は「船の舵を右に向ける」、「取舵」は「船の舵を左に向ける」ということで、鈴があわあわしながら操舵している様子が何度も描かれていたと思います。アニメ本編(例えば第2話とか)見ると、「面舵」と鈴が言って操舵した後、船の動きを視覚的に見せている(「晴風」が右に向けて曲がっている)描写があったりします。
航海長操艦(こうかいちょうそうかん)
また、第1話で出港した後に明乃が「航海長操艦(こうかいちょうそうかん)」と言い、それに対して鈴が「いただきました」という場面。
これは、港への出入港は艦長の仕事であり、艦長が操艦している(実際の操艦は、鈴など航海科の人間が担当するのだが)ため、港から離れた時点で船の操艦を担当者(この場合は、航海長である鈴)に委任するという意味で「航海長操艦」と明乃は言っている。そして、その艦長の言葉を聞いて、「今から操艦します」という意味の返事が鈴の「いただきます」という言葉になるとか。
ちょっとわかりずらいですね・・・・
本編の最後というか、エンドロールのパートに移る前にでも「用語講座」みたいな感じで、明乃たちが話す用語についての解説があれば、もう少し一般の視聴者やアニメファンにも受け入れられたというか、「とっつきやすい」と思われたのかも……と、ふと思ったりした作品でした。
(C) ハイスクール・フリート AIS/海上安全整備局
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コメント一覧 (7件)
「春風」ではなく「晴風」です
修正しました。
ありがとうございます。
ガルパンも好きですが
逆にかわいい子たちが、専門用語で対応している姿にかっこいいと思うところもあると、僕は感じました。
(ただの感想)
そうですよねー
この程度でとっつきにくいと感じてアニメが受け入れられないんだったら、そういう人は見るべきではないと思う。自分も他のアニメ見ていて、分からない専門用語出てきたら自分で調べるし、わざわざアニメ内で説明を入れられると作品の世界観が壊れかねないから、これでいいと思う。
何でもかんでも一般ウケすればいいってもんではないと思う。稼ぎたいだけなら話は変わってくるけど。
最近の海戦モノって”みぎげん、ひだりげん”って言うけど、”うげん、さげん”どっちが正解なんですかね?
「何やってんの!うげん弾幕うすいぞ!」
民間は「うげん」「さげん」
帝国海軍及び海上自衛隊は「みぎげん」「ひだりげん」
戦闘時などで聞き取りづらかった場合でも単語長の違いで誤認を防げるので使われた説が結構有力。
知恵袋から。