岡山県真庭市にある湯原温泉・・・この地には、「はんざき」という生き物が生息しています。
はんざきとはどのような生き物なのでしょうか?
今回は、はんざきとはどんな生き物なのか?恐ろしい言い伝え、関連する神社や祭を交えて紹介します。
「はんざき」と呼ばれる巨大な両生類
一般的にはあまり聞いたことのないような名の生き物が、湯原温泉の周辺にある川に生息しています。
その生き物とは、古代の状態のまま進化せずに現在も生きている「オオサンショウウオ」で、湯原温泉の辺りには150㎝を超える巨大な個体も生息しているのです。
この辺りでは、オオサンショウウオのことを「はんざき」と呼んでいます。
オオサンショウウオは体を半分に引き裂かれても生きていられるという言い伝えがあり、そのことから「はんざき」と呼ばれているそうです。
その他にも、大きな口を開けると体が半分に裂けたように見えるから、という説もあるようです。
はんざきの恐ろしい言い伝えとは
「はんざき」と呼ばれていても、「オオサンショウウオ」なのでしょ?と思われるかもしれません。
ですが湯原温泉の地には、はんざきについての恐ろしい言い伝えが残っているのです。
文禄の時代、湯原温泉の辺りには巨大な「はんざき」がいて、道行く人々を襲って川へ引き込んでいました。
そこで「三井彦四郎」という若者が、このはんざきに立ち向かうことを決心。
刀を携え「はんざき」に戦いを挑うのですが、「三井彦四郎」は「はんざき」に飲み込まれてしまいます。
しかし「三井彦四郎」は、飲み込まれながらも持っていた刀で「はんざき」の腹を内側から裂いて脱出したのです。
こうやって巨大な「はんざき」を退治したのですが・・・これで一件落着、というわけにはいかなかった。
「三井彦四郎」が「はんざき」を退治してからというもの、三井家の人々は「はんざき」の祟りにあい、家の者が次々に亡くなっていきます。
村の人々はそのことを知り、たいへん恐れ、村中にも祟りが及ぶことを危惧して「はんざき」を祀り、祟りを鎮めたのです。
これが湯原温泉にある神社、「はんざき大明神」なのです。
はんざき大明神とはんざき祭
毎年8月、はんざき大明神では、「はんざき」の祟りを鎮めるために祝詞とお経が唱えられています。
この行事により、「はんざき」はよき神として地域や人々を守るようになったのでしょう。
湯原温泉での大イベントであるはんざき祭も行われ、大きく口を開けた10mもの巨大なはんざきを乗せた山車やねぶたが街を練り歩きます。
8月にははんざき祭へ行こう!
湯原温泉の地には「オオサンショウウオ」であり、神でもあるはんざきが数多く生息し、温泉街には「はんざき」のオブジェがたくさんあり、見て歩くだけでも楽しそうです。
ですが恐ろしい言い伝えが残るだけあって、「はんざき」には底知れないパワーを感じます。
8月には、はんざき大明神にお参りをし、迫力満点のはんざき祭を見物して、はんざきのパワーにあやかりに行くというのもよいですね。
※アイキャッチはイメージです。
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