士官学校卒業式の帽子投げはなぜ投げる?

士官学校の卒業式といえば帽子投げです。
日本ではあまり見る事はありませんが、アメリカの卒業式ではおなじみのシーンで映画やドラマで見かけます。
あまり知られておりませんが、防衛大の卒業式では伝統行事にもなっています。
それはなぜなのか?を考察してみたいとおもいます。

ハット・トス(hat toss)

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帽子投げは英語ではハット・トスとかキャップ・トスとなり、制帽のことをカバーとも呼ぶ呼ぶのでカバー・トスとも言います。
アメリカ陸海空軍の士官学校で、卒業式の最後に卒業生全員が、歓声を上げながら空中高く制帽を投げ上げる光景は有名です。

この習慣を始めたのはアナポリス海軍士官学校が最初で、その後、ウェストポイント陸軍士官学校やコロラドスプリングス空軍士官学校でも行われるようになりました。
日本の防衛大学校でも、この帽子投げはやはり行われています。

アナポリスのハット・トスの発祥が1912年からとも謂われますから、防衛大学校のそれはもちろんアメリカを真似たものですが、アメリカとはまた一味違う伝統があります。

防衛大の卒業式は屋内で行われ、卒業生は全員パイプ椅子に座っています。
そして式の最後に帽子を投げ上げた卒業生たちは、一斉に、我勝ちに、算を乱して、座っていたパイプ椅子を蹴散らしながら出口から駈け出るのです。

何も知らない人が見ていたら厳粛であるべき卒業式の最後に何という暴挙に及ぶのかと驚き訝しみ、最後には怒りさえ覚える人さえいるかもしれないというような、規律正しく厳格な士官となるべき候補生たちにあるまじきこの行為が、アメリカ士官学校にもない防衛大学校独特の伝統です。

なぜ、帽子投げ?

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特にこれといった由来はないようですが、つまるところ、自然な感情の発露のようです。

戦場で働く軍の指揮官を要請する専門学校ですから、普通の大学とは全く違って全てにおいて制約が強くて多く、それはそれは公私共に厳しい生活が4年間続くのです。

それを這う這うの体でで乗り越えて、やっと卒業まで漕ぎつけたその喜びや達成感は生半可ではないそうで、そんな気持ちが最後の最後に爆発的に表れたものなのでしょう。
防大のパイプ椅子蹴散らし退場も、その流れだと想像できます。

卒業式の後で

投げ散らかされて放置された帽子は、その後どうなるのでしょうか。もちろん後片付けは行われます。
防大の場合は、在校生が拾い集めて持主に返還されます。防止に名前が書いてあるとのこと。

国からの貸与品ですから使用後の返還は義務ですが、この帽子はその後使われることはありません。
これは防大生の制帽で卒業式後すぐに自衛官の任官式があって、この時には自衛官の制服制帽を着用しているからです。
因みに記念として持ち帰りたい人は買い取りも可能なのだそうです。

 


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歴史大好きじいさんです。
軍隊には軍隊ならではの、一般社会にはない習慣や伝統があります。

※写真はイメージです。
eyecatch source: David MarkによるPixabayからの画像

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