兵士に敵を殺させる方法?!

第二次大戦中、マーシャル米陸軍准将が戦争心理に関する研究で、接近戦の戦闘時において全兵士の15~20%の兵士しか敵へ発砲していない事実が判明しました。

残り80%以上の兵士は、負傷兵救護・弾薬などの運搬・伝令など攻撃以外の作業をしており、その中には戦闘忌避の意識があったり、射撃はしても出鱈目で敵に発砲するつもりはないという兵士も相当数いたそうです。

いずれにしても戦争であっても、人間は殺人に対して本能的な嫌悪感を持っている事実が明白になり、軍当局としてはこの発砲率を上げる事が課題となり、その方法を研究しました。

殺人の条件反射

実戦に即した訓練

射撃訓練の標的を単なる丸や四角から人型に変え、その人型標的が突然起き上がったり撃つと倒れたりと、実際の人間に対する銃撃を模して慣れさせました。

またそんな射撃訓練の成績に明確な信賞必罰を導入して、敵抹殺が正しいという意識を植え付け、実戦で条件反射的に敵を攻撃する兵士を養成しました。

心理的距離間をとる

敵国人を劣等人種、そして悪と位置付ける

敵国人は自国民より劣った野蛮人であり、そんな野蛮人が自国の安全を脅かす悪の存在であると位置付け、従って敵国人を殺す事は自国防衛の為の正当な行為であると認識させます。

平和的相互理解ができない暴力的で粗野な人種に対しては、抹殺という方法しかないとします。

米兵が日本兵を「ジャップ、イエローモンキー」と蔑称したり、原爆使用は何万人もの米国の若者を死なせずに済んだから正当だという理論などが好例です。

また逆に当時の日本人が、米英が日本を占領すると男は奴隷に女は全て強姦されると教えられたのもこの類です。

物理的距離をとる

兵器の開発

ナイフよりピストル、ピストルよりライフル、ライフルより大砲と、敵の人間から距離が離れてその顔をはっきりと視認できなくなる程に、殺人に対する抵抗感は低減します。

何万人もの死者をだした広島・長崎への原爆を投下した爆撃手は、万歳攻撃の日本兵の一人を銃剣で刺し殺した米歩兵ほどの心理的抵抗感はなかった筈です。

艦砲射撃の砲手や野戦砲部隊の兵士には人間を殺している実感さえないでしょう。

遠隔操作による無人攻撃機での攻撃はパソコンのゲームそのものに近い感覚で、ゲームの楽しささえ感じられる殺人となっています。

戦争遂行の意識と殺人忌避の気持ち

近年では遠隔操作や無人兵器の開発が発達しゲームの感覚どころが、人間そのものが手を加えず、機械による自動的な戦争行為による殺人が増えていく、主流になっていく事でしょう。

敵を殺させる方法の進歩より人間の殺人に対する抵抗感の方が優る事を、心より祈るばかりです。


Writing by 歴史大好き爺さん
戦争の歴史は人の残酷さを認識させます。
戦争のない世の中は実現するのでしょうか?

最新情報をチェックしよう!