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百鬼夜行と「見ると死ぬ」のタブー

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名前は聞くけれど、あまりピンとこないものの1つが、「百鬼夜行」だろう。
妖怪の類が集まって徘徊するらしいが、何の為だかもよく分からない。
ただ、「見ると死ぬ」という部分は、概ね固定されているようだ。
「見るなのタブー」は、オカルト的な伝承にしばしば表れるが、百鬼夜行の場合、どういったものなのだろうか。

目次

いい行列じゃないかよ、百鬼夜行だろ?

百鬼夜行は、『今昔物語』『宇治拾遺物語』『大鏡』といった説話や物語、児童書の『口遊(くちずさみ・くちずさび)』、百科事典『拾芥抄(しゅうがいしょう)』などにも表れる。
鬼や妖怪の他、疫病神、飛鳥時代の亡霊が出て来るパターンもある。

つまり、良くない物がまとまっていれば百鬼夜行に該当する。「餅さえ入っていれば雑煮」「コンピュータゲームはファミコン」「美少女キャラはみんな『ラブライブ!』」理論と概ね同じである。
百鬼夜行に目的が明言される事は稀であるが、人をさらいに来た、という例はある。

これらの伝承では、神仏に祈っていたり、「仏頂尊勝陀羅尼(ぶっちょうそんしょうだらに)」を唱える事で難を逃れるパターンが多い。そして、逃れられなかった場合は、死ぬ事になる。
仏頂尊勝陀羅尼が、息災延命に利益がある、とされる事と話は合う。

ある意味、百鬼夜行

見たら死ぬ伝説の誤謬

見たら死ぬという伝説には、常に報告者問題が付きまとう。
つまり「なら誰が報告者だったのか」という問題である。
これは鋭いツッコミのようで、案外隙が多い。
遭遇後、死から報告までの間に数分でもタイムラグがあれば、

「おーい、百鬼夜行見たぞ」
「へー、どうだった――あれ、死んでる。ははぁ、死因は百鬼夜行を見た事だな」

と、死ぬ前に伝える事が出来る。
だが、タイムラグは、因果関係を曖昧にするという問題がある。

「ああ、そういえば若い頃、百鬼夜行見たぞ」
「へえ、どんなだったのお爺ちゃん……お爺ちゃん!? ひょっとして、お昼のみたらし団子が……」

この時、百鬼夜行が原因とは思うまい。 「見たら死ぬ」は、極めて短時間に発生しない限り、難しい。
現実場面でも、警察は交通事故による「死者」を、発生から24時間以内に限定してカウントする。それより後になれば、救助が遅い、治療が悪い、それ以外の原因など、色々混じってしまうのだ。

いずれの伝承も、百鬼夜行に出会って即死する訳ではないのは確かだ。
助かった例を考えれば、念仏を唱える程度の猶予はある。
また、「追い払った」というニュアンスの伝承もある。
これはつまり、見たから死ぬ、というよりも、巻き込まれて死ぬ、と解釈すべきかも知れないのだ。
ならば、暴徒の群れに出会したのと、あまり差がない。

とすると百鬼夜行の現実的な正体は、「夜盗の集団を見間違えて襲われそうになったり、実際襲われて殺されたりしたもの」とやれば話が出来上がってしまう。
これは夢のない事だ。
やはり百鬼夜行は、見たら死ぬ、の原則に則ったものであるべきだ。

見たら死ぬ百鬼夜行に必要なこと

では、本当に「見たら死ぬ」百鬼夜行があるとしたら、どのようなものだろう。
百鬼夜行の「鬼」とは、必ずしも地獄の獄卒百匹を意味しない。
百は数多いものの象徴であり、「鬼」は、死霊やカミに属する、得体の知れないモノ全般を指す言葉である。
妖怪もここに含まれ、絵巻物などに描かれる事もある。
なら、その中に見れば直ちに死ぬような妖怪がいれば良い。
候補はいくらかいる。

輪入道

見ただけで魂を抜くというから、間違いない。念仏を唱える間もなかろう。行列に牛車が含まれていたら、車輪を見る前に逃げた方が良い。

九尾の狐

殺生石の元であり、その気になれば毒気で遠隔から殺せる事は間違いない。但し、正体を隠して人に近付くので、百鬼夜行に参加する可能性はほぼない。

七人ミサキ

7人組の死霊で、出会うと高熱を出して死に、8人目の霊となり、先頭は往生するロケット鉛筆方式。これは、即死感に欠ける。

パンドラの箱の底

可能性が高いのは輪入道だが、他のパターンはないだろうか。
例えば付喪神化したものに、見たら死ぬようなものは?

付喪神は、99年、100年経ったものの他、雑に扱われたもの、というパターンもある。
だとして。
用途半ばで放置されてしまっているようなものはどうだろう。
見たら死ぬものが、放置。

――妖怪が存在する世界線において、「そういうもの」が化ける事は、決してあり得ない話ではない。
だとすると、百鬼夜行の中に、「青く光るヤツ」がいたら絶対に近寄ってはいけない。

いや、まあ、その時点で、手遅れなんですけど。

※画像はイメージです。

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