大和型戦艦の三番艦になるはずだったものの戦局の変化で空母として作られた「信濃」
史実では完成する前に潜水艦によって撃沈されてしまった「信濃」
もしも完成して出撃したら「信濃」は役目を果たせるでしょうか?
中継空母構想

呉市海事歴史科学館 [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由
「信濃」の船体は戦艦「大和」型のものであり飛行甲板は95ミリの鋼材による装甲の飛行甲板になっている。
「信濃」は防御力の高い空母として作られていました。
その点に注目して「信濃」は空母機動部隊本隊より前に出て敵の攻撃を引き受ける。
そして機動部隊本隊から発進した航空機が「信濃」に着艦して燃料と弾薬を補給して出撃すると言う中継ポイントとしての空母と言う構想がありました。
この構想は空母機動部隊本隊は敵を遠くから攻撃できるアウトレンジ戦法をより実行しやすいと考えられていました。
中継ポイントであるから「信濃」には航空機を搭載しないと言う徹底ぶりでしたが空母を1隻でも欲しい日本海軍としては普通の航空機を乗せて出撃させる空母として「信濃」を使う事に決めます。
もしもこの構想をやろうとしても「信濃」が完成する昭和19年末や昭和20年初めでは空母からの発艦や着艦ができるパイロットが居ないので実行は不可能だったでしょう。
囮か特攻隊か・・・

Courtesy of Lieutenant Tobei Shiraishi [Public domain], via Wikimedia Commons
真珠湾攻撃から空母機動部隊を運用し米機動部隊と何度も戦った日本の空母機動隊でしたが昭和19年10月のレイテ沖海戦では少ない航空戦力を乗せて囮の役目を果たしました。
「信濃」が完成しても「瑞鶴」がやったように囮として米機動部隊を引きつける役目を与えられるかもしれません。
戦艦「大和」に並ぶ防御力で敵の矢面に立たされるかもしれません。
また戦争末期に計画された空母から特攻隊を出撃させる「神武作戦」に投入されるかもしれません。
どちらにしても戦争末期の悲壮な作戦への出撃になってしまいます。
輸送艦または復員船

Naval History & Heritage Command [Public domain], via Wikimedia Commons
戦争末期なると空母「準鷹」や「雲龍」が本土からフィリピンへの輸送任務を行いました。
「信濃」も物資か部隊を輸送する輸送艦として使われるかもしれません。
実際に撃沈される時の「信濃」には特攻兵器「桜花」などを積んで運ぶ途中でした。
しかし昭和20年になると米艦隊が日本近海に進出し、機雷を投下され航行が難しくなります。
終戦の時までもしも「信濃」が航行可能で残っていたら空母「葛城」のように復員船として航行するかもしれません(戦艦並の燃費で航行できない可能性もあるけれど)
どの想定で考えてみても日本が追い込まれている戦局では「信濃」が本領を発揮して活躍できるのは不可能で悲運や幻と言う空母となるのは避けられないのかもしれません。

eyecatch source:呉市海事歴史科学館 [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由
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