この話は子供の頃に祖母から聞いた話で、今から考えると徴兵回避の為に色々工夫した人がいたんだな~と感心しました。
私は家庭の事情で5歳の頃から祖父母に引き取ってもらい、親代わりとなって面倒をみてもらいました。
その為、祖父母との接点は普通の子供に比べるとかなり多かったと思います。
おかげで大正生まれの祖父母から戦時中の話を子守唄代わりに色々教えてもらいましたので、その一部を紹介しますね。
私が聞いてビックリしたのは、戦時中の徴兵関連のお話です。
テレビドラマやマンガ等で戦時中のシーンを見たりしますけど、そういった作品の中だと戦争に参加しない成人男性は非国民とののしられる場面を多く見かけました。
戦争へ行かないと非国民として近隣住民から非難される。それが本人だけでなく、その家族にまで強い影響を与えたと聞きます。
その為戦争へ行きたいかどうかにかかわらず、誰もが断ることなく徴兵命令が下ったら兵士として参加したんだとか。
拒否すれば自分だけでなく家族に害が及ぶということで、徴兵された本人はお国の為に!と奮起(表面上は)。
家族の方も、お国の為にがんばってくるのよ!と戦争に行く子供や夫を(表面上は)誇らしげに送り出したと聞きます。
そんな中、祖母の知り合いは必死に戦争に参加しないよう頑張っていたそうです。
よく祖母から言われたのは「賢い人はアホの振りするんや」です・・・要はこういうことです。
生死をかけた戦争に行きたい人なんていない。
しかしそうなると国は困るので、そうならないよう戦争に参加しないのは「非国民」と蔑み、誰もが戦争に参加するようなムードを作ってるんだ。
なので国の作りだした勝手なムードに踊らされ、戦争に参加するのは愚か者のすること。
本当に賢い人は戦争参加を回避した。
ただ表立って言うと、ムードに飲まれてる人から反感を買ったり、警察に捕まったりする。
この事に気づくのだからバカではないだろうが、自分一人頑張った所でどうにもならない現実に気づかない点でこれもダメ。
本当に賢い人はそういうのも計算し、アホの振りをするんだといってました。
実際祖母の知り合いは、アホの振りをして徴兵を免れた人がいる・・・あの人は賢かったな~と褒めてました。
徴兵を免れた人からどうやったの?と祖母は聞いたそうです。
すると精神鑑定の検査をする部屋で、担当の人は目の前に指を一本差出し「コレを見て?」と聞いてきたそうです。
この時に指を見てしまうとアウト。
「コレを見て?」という言葉を聞いてもアホの振りを続けます。
指は見ずに目の焦点を定めない。
ここまでするとコイツに兵士は無理だ!と判断され、徴兵を免れたそうでした。
ウチのおじいちゃんはそういう融通の利かない人だから戦争参加しちゃったけど、上手い事やって戦争に参加しない人もいたんだよ~という話を教えてもらいました。
当時はウンウンとうなづいてましたが、ある程度大きくなってから当時の状況を考えると賢い人もいたもんだな~と感心しました。
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