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霊感の科学的研究成果

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諸兄は霊感をお持ちだろうか・・・。

キリスト教では、聖霊が与えたひらめきだが、その定義はどうでも良い。前作主人公が強すぎたから、今回の主人公を目立たせるために後付け設定を盛っただけの事だ。
この霊感というのは、幽霊を知覚出来る能力と定義しておく。これで一般的な概念と概ね一致すると思う。
オカルトには、大変便利な道具である。

目次

オカルトの便利アイテム

オカルトが持つ、話題としての弱みは証拠がない事である。
証拠が出た時点でオカルトではなくただの事実になるとも言えるが、そこはまずは飛ばす。証拠がないから、体験談として話すしかないが、聞く側は証拠がないから信用しない。

ここに霊感を導入すると、証拠が作れてしまう。
「今ここにいるよ。霊感がないあなたたちには見えないのだろうけど」
で良い。

霊感を持つ者が1人ならば、完璧な理論である。
しかし、2人目が出ると話は違う。
「ここにいるよ」
「いや、私も霊感があるけど、見えないよ」
これである。

そこで、霊感には新たなファクターが追加される。
「ああそう。霊感がある程度強くないと見えないんだよね」
強弱で論破完了である。

霊感不用説

だが、2人目が言う。
「私にはこっちの霊は見えるけど、あなたは?」
勿論、論理武装は完璧だ。
「ああ、何か訴えたい人にしか見えないんだね」

さてさて。

ここへ来て、霊感の有無や強弱の定義が曖昧になってしまった。
折角作った霊感の定義がなくても、幽霊が見えたい人にだけ姿を見せる設定1つで充分になってしまう。
それでも本当に「見える」人はいるのではないか? 霊感を頭から否定するものではない。世界は科学で説明出来ることばかりでは云々。

霊感の科学的研究例と成果

この科学批判は、批判としての意味を持たない。
何故なら、霊感がある人の科学的研究は行われている。

それも、途轍もない規模。
医療機関で。
保険も適用されて。
そして、彼らには「統合失調症」という診断名が付く。

科学が霊感を理解出来ないから狂人のレッテルを貼っている訳ではない。
霊感を訴える人間を科学的に分類した結果、同一カテゴリに入ったというだけの事だ。その上で、生活に不便をもたらしており、疾病と結論づけられたのだ。
科学で扱われるには再現性が必要だ。
勿論ある。
支離滅裂な行動を取っているように見えて、彼らは実に定型的な動きをする。

ロマンティックな狂気は存在しない。

筆者も奇遇があり罹患者と接した事があったが、その言動から喫煙習慣に至るまで教科書通りであり、人間の単純さと先人の努力に感心したものである。

彼らは主観の中では間違いなく見ているし聞いている。
彼らが見る幽霊は、その人の知り合いであり、気に掛かる人であり、時に死んだ人でもある。
ストーカーの概念が出てからは、大体ストーカーになった。かつては神の啓示と理解していたのに、知識は時に不幸だ。

霊感のオカルト的解釈

ここからがオカルトだ。
本当に幽霊が見える人とは、何者なのだろうか。
幽霊とは何だろうか。
霊の概念があるならば、さまよえる魂か、往生する途中の魂、さもなければ生き霊だ。

いずれにせよ霊感があれば、魂を直接知覚出来るという事だ。

光学的に記録されないのだから、視覚はあり得ない。録音も出来ないから聴覚も同様だ。
五感は基本的に全滅する。
だとするならば、第六感、この場合、脳に直接作用すると考えるべきだろう。
脳が直接影響を受けるのは電気信号、もう少し広く電磁波で良い。
であれば、魂は何らかの電磁波で構成されている存在であり、霊感がある人は脳波を揺らされる事をもって「知覚」する。

電磁波を発する例

問題は、現在の科学力で検知出来ず、人間の脳で検知出来る電磁波はあるのか、という話になる。
心配は要らない。
人間の感覚は未だ機械に及ばぬ精密さを持つ。
町工場の手作業が、どこも真似できない精緻な部品を作り出すという。
同様に、極微細、特殊な電磁波を感じる脳を持つ人間がいてもおかしくない。
その人間が、脳波に影響を与えやすい電磁波に対して敏感であるなら、これは脳波自体にも敏感と考えた方が自然だろう。

しまった。

彼は幽霊を感知する能力はあるが、実際に感知するのは生きた人間の脳波ばかりだ。
そちらの方は機械が検知出来る程に強い。
生者の掻き鳴らす脳波の轟音の中で、幽霊の電磁波を検知出来る可能性は非常に少ない。
もしも、彼が幽霊を感知出来た事があったとしたら、それはもう運命の出会いと言って良いのではなかろうか。

彼らの妙なる出会いに祝福あれ。

ごんぱちです。好きな幽霊キャラは草壁健一郎です。

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