第二次世界大戦でドイツ軍が展開した電撃戦で戦車と共に活躍したのがJu87スツーカ急降下爆撃機です。
果たしてスツーカはどう電撃戦を支えたのか解説します。
Ju87とはどんな飛行機?
ドイツが再軍備宣言をして新しいドイツ空軍が発足する前の1933年に急降下爆撃機の開発が「スポーツ機」と言う名目で始まりました。
全長11m以上で1000馬力のエンジンを載せたスツーカは胴体下部に250kg爆弾または500kg爆弾を1発装備し、主翼にも50kg爆弾が4発装備できた。
しかし1000馬力のエンジンとはいえ固定脚の空気抵抗や重い爆弾を積む事で最高速度が380km/hから400km/hと速くない航空機だった。
速度よりも急降下での安定性を重視した機体だからです。
引き込み脚の時代であえて固定脚にしたのも固定脚を急降下の時に機体を安定させる装置としても役立たせる為でした。
急降下爆撃
スツーカが実戦投入されたのは1937年のスペイン内戦からです。
この時からスツーカは急降下爆撃機としての真価を発揮してドイツ空軍内で高い評価を得ます。
スツーカの急降下による攻撃方法は目標に対して左へ30度から40度ずれた位置から急降下に入る。
このずれを横転からの急降下で直線の進路にするのだ。
急降下に入るのは高度4000mからで爆弾投下は高度900mから500mで行う。
スツーカは90度近い角度で急降下し500km/hから600km/hの速さで目標へ向かう。この速さと角度で投下された爆弾が目標の頭上から直撃するのです。
(日本海軍の九九式艦上爆撃機だと高度8000mから緩降下を始め2000mで急降下開始、急降下の角度は70度、爆弾投下は高度500mから400m)
電撃戦を支えたスツーカ
急降下爆撃はピンポイントでの攻撃を可能にする方法でした。
前線の敵部隊や陣地だけではなく、鉄道や橋などの交通網への攻撃を水平爆撃よりも正確に行える事は速さを求められる電撃戦を空から支援する役目として最適でした。
これに地上の陸軍部隊に同行している空軍将校が連絡役となりスツーカの攻撃目標を示す事も行われたのもスツーカが活躍できた要因の1つでしょう。
急降下による正確な爆撃は電撃戦における空軍の象徴的な存在となりました。
それは開発する爆撃機に急降下の能力を付けるほどでした。
スツーカが大戦初期の電撃戦で活躍できたのは素早く動く為に限りある火力を有効に正確に使うと言う求めに応じる事ができた「空飛ぶ砲兵」だったからでしょう。
eyecatch source:U.S. Navy [Public domain], via Wikimedia Commons
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