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海縛霊はどこにいる?

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オカルトは、科学では不明なものを解釈して、心を落ち着かせるものである。
最も身近な不明なものといえば、やはり海だろう。

水は透明なようで濁っており、100mも潜れば光量は100分の1。
その奥は想像するだけで腹の底が冷えるような、冷たく暗く静かな深海である。
そんな海に潜むと考えられるのが、溺死者の幽霊である。

目次

霊は海にいる

海水浴の水難事故では、明確な理由が分からず溺れるものがある。
泳げるはずの人が、浅い場所の筈が、いきなり溺れてしまう。
人は、これを幽霊の仕業と考える事がある。

溺死者の幽霊が海水浴客を水中に引きずり込むというのは、海の怪談のテンプレートである。
海水浴における歴史的水難事故である「津海岸集団水難事件」においても、幽霊説は根強い。

科学の方は科学に任せ、ここで考えたいのは、幽霊が原因による溺水である。
幽霊が水中に被害者を引きずり込むのに必要なのは、幽霊が海中にいる事である。
幽霊が神出鬼没であるという説は、今回は考えない。幽霊が何でも出来てしまうと、考える余地がなくなる。
幽霊は、物質特性が異なるが、移動に時間を要する存在であるとする。

だが、そう考えると、幽霊が標的を海で溺れさせるのは不自然だ。
幽霊には人間の足を掴んで溺れさせるだけの力があるのだ。わざわざ泳ぐ時を狙わず、地上にいる時を狙えば良い。
眠っている時間なら、ずっと静かに事が済む。
だとすれば、「海でしか狙えない」という理由が必要になる。

色々な遠回りがあるが、やはり海にしかいられないこれが最も単純で理にかなっている。
つまり、地縛霊の海中版「海縛霊」である。

海縛霊の行動範囲

海縛霊が、全ての海を動けるというのは無理がある。
地縛霊程度の移動範囲と考えるべきだろう。

一般的な地縛霊で有名なのは、交通事故による霊だ。
こういう地縛霊は、怪談の類でしばしば語られるが、実際に轢かれた筈の車道の真ん中から少し離れ、「歩道」で人に接触する場合がある。一方、「反対車線の歩道」に現れるイメージは薄い。
道路の幅員の最低ラインは4mなので、その辺りが移動最大値の目安だろう。

さて。
海水浴場のブイは、管理のし易さの問題もあるが、3m~5m程の水深の場所に浮かべるという。
この時、海縛霊が、海底に地縛されていると、人間との接触が非常に困難になる。

人間は泳ぐ時、ほとんど水面にしかいない。
この場合、海縛霊は水深分で既に移動力が消費されてしまう。
どう考えても、多少の横移動の余地は必要だ。
ここで一つの結論が出る。

つまり海縛霊は、海底ではなく水中に海縛されている。

霊の真の機動性能

この仮説は、一見筋が通っているが、新たな疑問を生んでしまう。
何しろ海の水は一定の場所に留まってはいない。
水に海縛されれば、あっという間に故郷の岸を離れ、名も知らぬ遠き島へ流れ寄ってしまう。
これはつまり、水に縛られてはいない、という事だ。
従って、海縛霊は、水の有無は関係無く、緯度と経度を基準に縛られているというのが結論だ。

考えてみれば、当たり前の話だ。
霊は基本的に質量がないものとされている。質量がなければ、地球に重力で引き付けられず、一緒に自転も出来ない。
自転どころか銀河の運動にも合わせて、飛び続ける必要がある。
つまり、あらゆる霊は地球の宇宙内座標をピンポイントに把握し、宇宙の膨張に準ずるじ速度で追尾しているのだ。

いや待て。

本当にそんな事が出来るのだろうか。
追尾するよりは、待ち構えた方がまだ遭遇確率は高いのではないか?
半端にずれる時計よりも、止まっている時計の方が1日に2回は正しい時刻を指す理屈。
その方がずっと自然だ。

つまり、霊は霊になった瞬間、ほとんどの者が地球の追跡を諦める。
そして霊は無限に広がる大宇宙の中でぼんやりと待ち続ける。
数兆年を経て、別の星が今の座標を通るのを。
その星の、海水浴をしていた知的生命体は、突如足を掴まれた感覚に思うのだ。

「これは、昨年水死した悪霊が、足を掴んだに違いない」

と。

案外、幽霊となら、カジュアルに「未知との遭遇」が果たせているのかも知れない。

※画像はイメージです。

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