対馬の上見坂公園は観光スポットとして有名で、展望台から見える浅茅湾のリアス式海岸の光景が絶景です。
ただ後で知ったのですが、ここは心霊スポットとしても知られていたのでした。
上見坂公園の出来事
何年か前の春先、私と両親の三人で対馬へ観光旅行へ行き、その時に宿泊したホテルの方のオススメで上見坂公園へ向かう事にしました。
市街地から山の中の細い道を30分ぐらい走って到着した公園は、平日という事もあり人気はほとんどありません。
風もすこし肌寒いのですが、桜が綺麗に咲いていてお花見気分でもりあがりました。
風景を眺めながらお弁当を食べたり公園を散策したのですが、この公園は戦争時代に砲台が設置されていて、その時の建物がいくつか残り、すこし不気味な感じがしたのです。
私はスマホで展望台から海をバックにして、皆に一言ずつ話してもらうというベタな記念撮影をはじめました。
まずは父から、次に母へカメラを向けて、そのまま景色もおさえようと撮影を続けながら、私は360度回転。
両親と私から少し離れた場所に、女性が幼児を抱えている姿が動画に映りこみました。
「他人が映りこんだけどいいか」という軽い気持ちで撮影を終え、次の観光スポットへ向かうので車へ。
車内でも両親が幼児を抱いた女性の事を話題にあげて、「しかし、肌寒いのに二人とも(女性と幼児)薄着だったなぁ」など軽く会話をしていました。
写っていたもの?
対馬旅行は終わり、私は思い出の整理と思って、スマホの画像や動画を見返していました。
ふと気がついたのですが、上見坂公園で撮影したあの動画に、幼児を抱いた女性が映っていないのです。
慌てて両親に動画を見せましたが、「この動画ね。海綺麗ね。何がおかしいの?」と一言。
私はすかさず「いやいや、幼児を抱いた女性が映ってないじゃん」と反論するも両親は「そんな人はじめからいなかったよ。」と。
私は引くに引けず「車内でも幼児と女性が薄着だったって言ってたじゃん!」と両親に確認しても・・・。
「そんな会話してないよ。だって車に乗るなり、あなた(私)はすぐ寝ちゃったじゃない。」
と言われ何も反論できませんでした。
納得のいかない話
後で対馬に住む友人に聞いて分かった事なのですが、上見坂公園には明治後期に築かれた砲座跡の為に謂れがあったのです。女性と幼児の話をすると友人も知っていました。
「そうか。見える人に見えるみたいだね。きっと○○(私の名前)の家族が羨ましくて現れたのかもね・・・見えただけで済んだんでしょ?それなら良かった。場合によっては付いてこられる事もあからね」
私は全身の血の気が引き、今振り返ってみると、女性と幼児の身なりから現代という感覚はなく、戦に巻き込まれた母て供養できないままの姿を現したのではないかと推測したのです。
やはりと思って両親にこの事を話すと、母は「なんて恐ろしくも悲しい話なのかしら」と顔をしかめ、父も同じように顔をしかて、
「砲台があったのは公園の看板をみて知って、調べてみたんだけど・・・全く使われてないんだよね」
そして続けてピシャリといいました。
「友達の事を悪くいうつもりはないけれど、自分の住んでいる町の事を調べもないで憶測するのは、風評被害みたいなもんで・・・どうかと思うけどな」
私は不気味なだけで、そう思い込んだのでしょうか?
もしかしたら、心霊スポットの大半は根拠の無いものなのかもしれないと思った瞬間でした。
※画像はイメージです。
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