2016年に公開された映画「この世界の片隅に」
大ヒットにより追加部分を加えた「この世界のさらにいくつもの片隅に」として今年12月公開されます。
前作から見たミリオタだからこそ楽しめる「この世界の片隅に」について語ります。
どんな作品?
こうの史代原作の漫画を片渕須直監督によりアニメ化したのが映画「この世界の片隅に」です。
舞台は昭和19年(1944年)の太平洋戦争後期
広島に住む浦野すずは嫁ぐ為に呉へ移り住みます。
海軍軍法会議に所属する軍属である北條周作の妻となったすずは慣れない妻としての家事や義理の姉との難しい関係に悩みながらも日々を過ごします。
戦時下の日常を描いた作品と言えます。
しかし昭和20年(1945年)へ場面が進むと日常はより大きく変わるのです。
ミリオタの視点でここをチェックしよう!
軍港の街である呉が舞台なので艦艇や軍人が登場するのはもちろん、台詞もミリオタ的にはにやりとします。
軍港が見下ろせる畑で周作がすずへ「あれはドイツから来たUボートじゃ」と呂500となっているUー511について触れています。
すずさんの義理の姉となる径子の娘である晴美も兄に教えて貰った知識で呉軍港に停泊する艦艇を眺めながら「あれは利根じゃ」「青葉と言えば甲巡ですね」と言う台詞もあったりします。この辺りは名前を言った艦艇が描写されませんが知っているとニヤリとする所です。
同じく晴美の台詞で言うと「空母がおらんねえ」の台詞でマリアナ沖海戦の後の時期と見える場面もあったりします。
登場する艦艇では戦艦「大和」と重巡洋艦「青葉」をはじめ背景として「雲龍」型空母が描かれています。
細かい描写で言えばB-29の空襲を主砲の射撃で迎え撃つ航空戦艦「伊勢」と「青葉」が小さくではありますが描かれています。
航空機も背景として九七式飛行艇や吉島飛行場へ降りる一式双発高等練習機がさりげなく登場します。
片渕監督のこだわりを見よ
片渕監督はアニメ製作のみならず軍事史研究家としての面もあります。
特に旧日本軍機に使われた塗料については第一人者です。
そんな片渕監督は本作では米軍機のエンジン音を実物の音を使うなど生活や街の描写と同じくこだりを持って作っています。
「この世界のさらにいくつもの片隅に」でも新たなこだりを見せてくれるかもしれません。
「この世界の片隅に」
原作:こうの史代(双葉社刊)
脚本:岡田惠和
演出:土井裕泰、吉田健
音楽:久石譲
プロデューサー:佐野亜裕美製作著作:TBS
(C) この世界の片隅に こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
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