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1学期最終日に体育倉庫に閉じ込められる児童に関する考察

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夏休み明け、授業で使うボールを出すため、体育教師が校庭の体育倉庫の鍵を開ける。
引っかかりながら開く金属の引き戸を数センチ開けた時。
教師は流れ出す、妙な臭いに気付いた。
妙な胸騒ぎを覚えつつ、引き戸を一気に開く。
金属のこすれる音と共に、引き戸は全開になった。
同時に、教師は悲鳴を上げる。
教師に倒れかかって来たのは、ミイラ化した死体だった。
体育倉庫内には、あちこちに引っ掻いたような、脱出を試みた痕跡が見られ、ミイラの爪は全て剥げていた。

警察の調べでは、死亡推定日は約40日前。つまり、1学期の最終日だった。
放課後、校庭で遊んでいた児童が、体育倉庫に入り込んだまま、居眠りした。
夕方になり、教員が見回りに来たが、児童の存在に気付かず施錠してしまったのだ。
目を覚ました児童は、戸を開けようとするが、簡素な倉庫には、内部からの開錠機能がない。それなら、と壁を壊そうと引っ掻き、助けを求め声を上げた。しかし、夏休みに入った学校に、児童の声が聞ける者は、誰もいなかった。
校庭に置かれたクーラーもない体育倉庫内だ。翌日には既に、児童は熱中症で意識を失ったと推定される。
こうして、引き戸1枚向こうの風を欲しながら、戸に寄りかかった児童はミイラ化したのだった。

事件化による住人減や、ふるさと納税の減少を恐れた市は、警察へ圧力をかけ、児童の発見場所を校外に改竄させた。
第一発見者の体育教師は、職を辞した後は何処へか引っ越していったという。

目次

発生条件の検討

これが都市伝説でしばしば語られる、「夏休みに閉じ込められる小学生」である。
場所は施錠出来る場所ならどこでも良い。
さて、このような事故は、過去に発生しているだろうか。

ない。

実例がない時点で、そもそも論ずるに値しない。
これを、「全ての事例が嘘とは限らないのでは?」と思ったとしたら、「悪魔の証明」論法に引っかかる寸前なので気を付けた方が良い。
証明すべきは「ある」と主張する方の責任でしかない。

愛想がないので、もう少し言葉を足すと、この話は発生確率の低さに比べ、報告数が多すぎる。

大前提として、学校は当直が見回りする。子供が閉じ込められてヤバそうなところは当然巡回ルート内にある。
そして小学校に通う児童には保護者がいる。帰宅しない時点で捜索願が出る。
ネグレクトの子供なら可能性はあるが、ネグレクトでしかも偶然閉じ込められるとなると、その確率は更に低くなる。

そして偶然に偶然をすり抜け、たった1回、このような事件が発生したら。
再発防止のため、対策が採られる。公園の遊具を見よ。昭和の遊具からどれだけ無害化された事か。役所の仕事ですらそうなのだ。

小学校には、当然PTAが実地指導に入るだろう。
おおよそ鍵と呼ばれるものは暗号鍵1つなくなり、トイレの個室も全て足の見える欧米式だ。
夏休みともなれば、PTAが日替わりで学校を隅々まで見て回り、子供から少しでも怪しい話を聞けば学校にねじ込むのだ。ほとんどの場合、単なる思い込みや勘違いだ。
学校がそれを無視してまで、「危険地帯」を残す動機は一切ない。

さて、その完全なPTA監視が徹底された小学校において、もしも、本当にミイラ化事件が起きていたとしたら、それはどういう事だろうか?
ここからがオカルトだ。

ミイラ化要件の検討

次に死体のミイラ化について。
夏休みの日本で、人間の死体がミイラ化するのはほぼ不可能だ。
勿論、腐敗するからだ。

古代エジプトは乾燥した地域だが、それでもミイラ作りに行われる大事な工程がある。
すなわち、遺体からの内臓の分離だ。腐敗は内臓や脳から始まる。これをさっさと壺に収め、体の部分だけにしてミイラに加工するのだ。内臓が腐敗した後に、内臓だけ良い具合に抜けて、肉体が残ってミイラ化した場合はどうだろう?

そうはならない。腐敗は一体的なものだ。
何よりも問題なのは悪臭だ。
腐乱死体の悪臭は、比較的密閉性の高そうなマンションですら、周辺住人が気付く。
巡回中の警備員なり教師が気付かない訳がない。

教師?・・・そう、教師。

これが最大の理由だ。
教師は夏休みに休んでいる訳ではない。普通に出勤している。
研修会がねじ込まれる事もあるが、そんな日も報告書類を書く必要があり、やっぱり学校には来る。
そんなところで、腐乱死体を気付かずに置いておけるだろうか。
全員が鼻づまりだったとして、蠅なりカラスなりが集まり始めるだろう。

また、親から捜索願が出れば、警察は学校は当然、田んぼの用水路から近隣の山の土の中まで調べる。
学校は、第一捜索ポイントだ。
何しろ、保護者が最後に見た児童の姿が通学する時なのだ。学校にいないと思う方がおかしい。
そしているのはただの鍵が閉まった体育倉庫なのだ。
見つかるに決まっている。

だがそれでも見つからないなら?
「学校に、その児童はいなかった」が結論である。

神隠し説

忽然と子供がいなくなる。

神隠しである。

人ならざる者は、時に子供へ興味を持ち隠してしまうという。
別の説では、彼我の境界が曖昧な子供は、こちらとあちらを踏み越えてしまう事があるともいう。
大抵の場合、隠されている期間の事は覚えていないか、はっきり話せないような知能の者だ。
神隠しは、村の中などでも突然起きる事はあったのだから、学校で起きてもおかしくはない。

神隠し前後で時間の辻褄が合わない場合もある。つまり神隠し後の世界は、何らかの異世界の類である可能性は高い。
突如消えるという性質と併せて考えると、四次元的に交差した他の三次元世界と考えるべきだ。
三次元空間内で瞬間移動して消えるより、ずっと理屈に合う。
神隠し後、児童は異世界で過ごす。

例えばプラスチックのように

異世界で生きていけるほど、児童に能力はない。成人でも怪しいものだ。
いずれ餓死する事もあれば、事故死する可能性もある。こうなれば、ミイラ化まで後一歩だ。

異世界で何故腐敗せずミイラ化するのか?
腐敗は細菌による分解である。
現代はあらゆる生物の死体が細菌によって分解されると考えられがちだが、これは長い進化の歴史で到達したものだ。
その前の時代、現代腐るものが腐らない事もあった。
石炭になっている樹木は、腐敗できぬまま堆積していったともいわれている。
今の時代のプラスチックのようなもの、と言えば分かりやすいだろう。

自分の大腸菌は腐敗に大きく役立つが、その前の状況次第では便が限りなく少ない事もあり得る。
こうして、僅かな腐敗しか出来ないまま、肉体は乾燥していく。
そして元の世界に戻る時は、すっかりミイラ化した死体になっているのだ。

閉じ込められて、そして

脱出しようともがいた跡はどう説明出来るのか。
死ぬ寸前の半狂乱ではないのか?

それは最初のうちの行動だ。
人間には「学習性無力感」という心理の動きがある。
やっても無駄だと思うと、回避行動を諦めるのだ。
従って、閉じ込められていた児童の動きはこうだ。

  • 体育倉庫に閉じ込められる
  • 気付いて騒ぐ
  • 神隠し発生
  • 見回り教師来る、チラ見するだけなので、ひっかき傷に気付かない
  • 児童、異世界でミイラ化
  • 児童、体育倉庫に戻って来る
  • 体育教師発見

これなら、途中で見つからない理由も、ミイラ化する理由も納得できる。

幾つかの都市伝説において、最終登校日と2学期最初という組み合わせがあるとすると。
この世界には、40日ほどの周期で接する異世界が隣接しているという可能性が考えられるだろう。
これを回避する方法は1つ。

「学校が終わったら、すぐに真っ直ぐ家に帰りなさい」

※画像はイメージです。

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