この話は、私が小学生のころおじいちゃんに聞いた戦争体験談で、私のおじいちゃんはとても強く運の良い方でした。
戦時中、おじいちゃんは南方の島国に出兵され、そこは激戦地でおじいちゃんも銃撃されたことがあります。
運よく腕に当たり致命傷にはなりませんでしたが、当時は麻酔等がなく、意識があるまま銃弾をナイフで掻き出したそうで、腕には銃弾が当たった傷跡が今でも残っていました。
そのような痛々しい体験も、どこか自慢話のように話してくれていた記憶があります。
ある日、おじいちゃんに「おじいちゃんはどうして帰ってこれたの?」と聞いてみました。
それまで、戦争の話は武勇伝のように話してくれていたのに、そのことについて聞いたことがなかったからです。
すると、おじいちゃんはこういいました。
「病気になったおかげだよ」と。
詳しく聞くと当時戦地では、赤痢という病気が流行っていて、亡くなる方も多かったそうですが、運の良い事におじいちゃんは亡くならずにすんで、戦後日本へ生還し、私の母が生まれました。
おじいちゃんがいた島は玉砕し壊滅状態だったそうですが、おじいちゃんは病気なったおかげで日本へ生還することができ、母が生まれ、長い月日が経ち私が生まれたということです。
それまで戦争はどこか遠い存在でしたが、その話を聞くと何故かすごく身近な存在に感じました。
どんな辛い体験も、しっかりとした口調で話してくれ、「俺は運が良かった。」と笑顔で言ってくれる強い自慢のおじいちゃん。笑顔で自慢気に戦争の話をしてくれていたため、そんなに重苦しい雰囲気にならずこちらも聞きやすかった。
しかし決まって話の最後にはこう言っていた。「戦争は惨い。戦争は絶対したら駄目だ。あんなのは人のする事じゃない。」と。
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