マッカーサー日本擁護論の真実?

歴史にまつわる話

太平洋戦争前に日本が中国や東南アジアに軍事進攻した事を、戦後マッカーサーが侵略戦争ではない自衛の為の戦争だったと擁護した・・・という話が伝わっています。

これは本当でしょうか。

日本擁護論が出た背景

マッカーサーが日本統治を始めて5年近く経った1950年、北朝鮮軍が突如韓国側に軍事進攻を始めました。

1951年、朝鮮半島の軍事情勢についての公聴会において、日本は優良な工業力と人的資源を持ちながら原料や資源がなく、その人口を養う為に先の戦争を始めたのだから、その目的は”security”安全保障が主だったと、マッカーサーが演説の中で述べた事がこの噂の根拠になっています。

Photo by Corporal Peter McDonald, USMC [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由

擁護かどうか

しかしこの公聴会でのマッカーサーの発言をよく見てみると、侵略戦争ではなかったという言葉は一言も発せられていません。

しかも公聴会は朝鮮動乱勃発に関連する極東の軍事情勢についてのものなので、過去の日本の戦争の是非を論ずる必要は全く無いのです。

マッカーサーという軍人は名誉心の甚だ高い、恐ろしくワンマンな人間だった事は周知の事実です。

また日本の侵略戦争を平和への罪として裁いた極東軍事裁判を積極的に進めた中心人物でもあり、そんなマッカーサーが過去の自己の功績を台無しにする様な言葉を公的な場所で発する筈がありません。

作者のページを見る [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由

日本の戦争と朝鮮動乱

大日本帝国が朝鮮半島を併合し、さらに中国大陸に侵攻して満州国設立の後押しをしたのは、強引ともいえる軍事力を伴ったソ連の南下政策に対抗するのが政治的目的でした。朝鮮動乱の勃発はソ連のこの政策が太平洋戦後も続いていた事が原因です。

戦後、ソ連は中国大陸と朝鮮半島の半分で共産化に成功し、日本がアメリカに抑えられた事に対抗して朝鮮半島全ての共産化を目論んだのです。

アメリカは当然それを阻止すべく軍事力を行使しました。
この際のアメリカの政治戦略は共産勢力に対する防波堤として日本を勢力下に収め、朝鮮半島を緩衝地帯として対峙するというものでした。

これは朝鮮半島を自己の勢力下に置き満州でソ連と有利に対峙するという、戦前の日本の戦略と事本的に同じです。そしてマッカーサーもこの戦略の下、共産軍と戦いました。

この事を考えるならば、過去の日本の戦争と自己の軍事行動の間で、マッカーサーは自己撞着に陥っていたのではないでしょうか。

侵略戦争

日本が侵略戦争をしたのかどうかは、現在でも研究者や政治家、思想家などの間で論争が続いています。

太平洋戦争以前を見ると、欧米列強による世界中の場所での植民地化は公然でした。謂わばアメリカを含む欧米諸国は、皆侵略戦争を行ってきました。

だからといって先の戦争が日本の侵略戦争ではなかったというつもりは毛頭ありません。
明らかな侵略戦争だと私は思います。

過去において自国を守り、さらには発展する為の侵略戦争は世界的(先進国社会)には当たり前の行為だったのです。しかしだからといって侵略戦争が正当化される事は決してないと断言しなければならないでしょう。


Writing by 歴史大好き爺さん

大東亜戦争は侵略戦争だったのでしょうか。

※写真はイメージです。