ここ一年ぐらい「一つの指輪 指輪物語TRPG」や「ELDEN RING TRPG」など、原作があるTRPGが多く発売されましたが、注目のオリジナルTRPGといえば「マモノスクランブル」です。
帯には「現代×人外TRPG」と書かれています。
著者は「ブラッドパス」「キズナバレット」のからすば晴さん。
マモノスクランブルの世界
世界中の人々がどういうわけか約丸一日気を失い、はっと気づくと世界はマモノで溢れかえっていたーー。
「大停止」と呼ばれるこの事件以来、地球はマモノが当たり前のように存在する世界となりました。
「大停止」が人類社会などになんらかの影響を与えたのか、人類は混乱することもなく人間はマモノの存在を受け入れました。しかしそれでも突然生贄を求める、勝手に縄張りを主張するなど、我々人間の社会に適応できていないような存在が大量に地球上に現れたからさあ大変。
すったもんだの末、日本の首都、東京が人間とマモノが共存する街として整備されたのです。
そんな、まさしく「魔都」となった東京を舞台としてマモノとなって日々のトラブルを解決して遊ぶTRPGが、「マモノスクランブル」です。
キャラクター作成
プレイヤーキャラクターはかなり自由に作成できます。
まず体の強さを表す「身体」マモノならではの特殊な力を表す「異質」社会的な立場、職業などを表すの「社会」3種類の能力値を決定します。
次にマモノの特徴に合わせた4種類の特性を選びます。特性は頭部が物品になっている「物頭」や、植物を操れる「樹木の主」、学校に通うマモノを表す「学生」など、様々なものがあります。
リストにない、オリジナルの特性を作っても構いません。特性自体にデータはなく、手軽にオリジナル特性を作って個性豊かなマモノを作れます。
なお特性は能力値1つに紐づいており、判定をするとき、自身の特性を使った演出をすると有利になります。
特性 マモノたちは様々な状況の下で判定をすることになります。このとき、どのような状況か、使えそうなモノは何か、を表すのが特性です。判定時に「この特性を使います」と宣言すると判定時に使うダイスが1つ増えます。 特性は大まかに分けて3つあります。 能力値に紐づいたマモノ自身の特性エリア(判定する場所)の特性クラン(後述)の特性
マギの決定
その後、マモノが操る特殊能力で、ロケアクション(戦闘やしっかりした判定を必要とする場面)で使用する「マギ」を1つ決定します。
あとは耐久値(通常20点)をキャラシートに書き入れ、設定を決めたら完成となります。
クラン
クランはマモノの集まり、チームです。結成しなくても遊べますが、クランに所属しているといくつか有利なことがあります。クランメンバーが共通で使えるクラン用特性やクラン用マギがあるほか、「裏方宣言」という同じクランに所属するプレイヤーキャラクターが都合でセッションに参加できないとき、彼が持っている特性を1つ申告しておくことで、セッション中他のメンバーが予め申告された特性を使えるというものです。
決まったプレイグループで遊ぶ場合はクランを設定しておくと良いでしょう。
判定
判定は12面ダイスを使用します。
12面ダイスを振って、能力値以下の出目が出れば成功です。成功したサイコロの個数ぶん、マリョクを上昇させます。
マリョク 「マリョク」はこの世界に満ちている目に見えないエネルギーのことで、プレイヤーキャラクター全員共通のリソースです。判定に成功したら、成功したサイコロの個数ぶん、マリョクをあげます。マギの使用条件として、マリョクが一定の数値である必要があるので、よく確認しながらセッションを進めましょう。
判定で振れるダイスは基本的に1つですが、以下の条件を1つにつきダイスを+1できます
- 特性(判定するキャラクター自身のもの、クラン、エリアのいずれか)を演出に組み込んで判定を宣言する。
- マリョクを1点消費する
これにより最大3つまでサイコロを増やして判定ができます。
複数個ダイスを振った場合能力値以下の出目のダイスが1つでも出れば成功です。
ルールブックがなくてもキャラクターが作れる!?サポートハブ
マモノスクランブルは「サポートハブ」が用意されています。こちらは著者のからすばさんが運営しているサイトで、なんとキャラクター作成に必要なデータが公開されています。
ルールブックを買う前に、まずマモノを作ってみても良いでしょう。
トラブル続きのマモノたちの日常が垣間見えるサンプルシナリオ
本書にはサンプルシナリオが2本収録されています。
一つはルールブックを読み進めながら一人で遊べる猫探しシナリオ「シーク・キャット・ウォーク」
もうひとつは昼食の配達が届かないから自分たちで取りに行く「アンラッキー・ランチ」
どちらもマモノたちの愉快な日常と世界観がよくわかる良いシナリオです。
マモノになって東京を駆け回ろう!
東京を舞台に、人でないモノたちがドタバタトラブルに巻き込まれ、解決していく。そんなことをやりたいあなたには、マモノスクランブルがぴったりです。
何しろ、ルールブックすらも「マモノ」なのですから。
よぉ、お前!オレだよ、オレ!目の前の本だ。
マモノスクランブル裏表紙より引用
(C) Karasuba Sei 2023
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