日陰者といわれた自衛官の憂鬱

昭和の内閣総理大臣であり、自衛隊法・防衛庁設置法を施行した、 吉田茂は「自衛官は日陰者」と言いました。

防衛大学の卒業ダンスパーティー

防衛大では学生の卒業時にダンスパーティーが催されます。
将来の幹部自衛官を育てる防大で、軟弱なダンスパーティーなんて相応しくないようにも思えますが、アカシヤ会という社交ダンスの集まり(部活?)さえあるのです。

そのダンスパーティーをあるジャーナリストが取材する際に、防大生以外の参加女性の顔が写真に写らないようという、大学側の要請を受けました。

その理由は過去に、マスコミの映像に顔が映った女性の親から、
「自衛官になる人間と娘が係わっていると世間体が悪い」
という強硬なクレームかあったからだそうです。

自衛官は日陰者

「君たちは自衛隊在職中、国民から感謝歓迎されず、 非難誹謗ばかり受けるかもしれない。」
「しかし自衛隊が国民から感謝歓迎されるのは、 外国からの武力攻撃や自然災害などで国家国民が困窮混乱している時だ。」
「言い換えれば君たちが日陰者の時の方が国家国民は幸せなのだ。」
「どうか耐えて貰いたい」

これは元首相・吉田茂が防大生に送った言葉の要約です。

吉田茂
■吉田茂See page for authorPublic domain, via Wikimedia Commons

自衛官の憂鬱

ダンスパーティーの一件は、自衛隊に対する国民感情の一端を象徴した出来事です。
税金泥棒や人殺し組織など酷い中傷もあり、自らの命を懸けて国家国民を守ることが使命である自衛官にとっては、おおよそ割の合わない評価のあるのが、今の日本の現状です。
自衛官たちの憂鬱は計り知れないだろうと想像できます。

しかし軍人に対する必要以上の国民の期待や讃美と、自ら国家の指導者たらんとした軍人の傲慢が、日本を滅亡寸前に追い込んだ過去があります。
それを顧みれば吉田茂の日陰者発言はけだし真理だと思うのです。

周囲に理解されないままじっと耐えながら、世のため人のために己を磨く。
そんな縁の下の力持ちは、判官贔屓の日本人好みのはずです。

そしてこのような軍事組織の在り方は、人類の平和のために実は新しく理想的なものなのかもしれません。
自衛官の皆さん、頑張って!

歴史大好きじいさんです。
旧日本軍は真っ平御免ですが、自衛隊はあまりに日陰者過ぎます。

参照:兵士に聞け 杉山隆男 著
※画像はイメージです。

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