メキシコの街では、いたるところで骸骨を目にします。
日本では骸骨に対して「怖い」「不気味」といった、マイナスのイメージを持たれることが一般的だと思います。
しかしメキシコでは、骸骨に対してのイメージが日本と全く異なるのです。
今回はメキシコの人々がどのような死生観を持つのか、骸骨との関わり方とともに見ていきたいと思います。
メキシコの街を歩けば骸骨に出会える!
メキシコでは、いろいろな場所で骸骨に出会えます。
レストランの中に骸骨の人形が飾ってあったり、お土産屋さんで骸骨をモチーフにしたものがたくさん売られていたりします。
日本では考えられないことですが、メキシコの人々にとって、骸骨はとても身近なものなのです。
メキシコの有名な祭「死者の日」とは?
メキシコでは、毎年11月に「死者の日」という名の祭が開催されます。
死者の日は亡くなった人の魂が戻ってくる日で、各家庭では祭壇を用意し死者を迎え入れます。
日本でいうところのお盆のようなイメージです。
祭壇には鮮やかなオレンジ色が美しいマリーゴールドの花、ろうそく、パン、骸骨の形をした砂糖菓子等の死者を導くためのさまざまなものを飾ります。
とてもカラフルに飾られる祭壇は、見た目もとても可愛らしいです。
死者の日のメキシコの街並みはとてもカラフル!
死者の日が近づくと、メキシコでは骸骨のモチーフのカラフルな装飾品がたくさん販売されます。
メキシコは、普段から骸骨を身近に感じることのできる場所ですが、この祭の時期は街中でより一層多くの骸骨に出会えるようになるのです。
骸骨のオブジェが街中にたくさん登場し、その様子はとても楽しそうで、陽気に楽器を演奏したり踊ったり。
死者のための祭壇は、街の中や店の中にもあり、街中がカラフルで楽しげな雰囲気になり、死者の日にパレードやイベント等を行う街もあります。
骸骨の仮装をする人々で街はあふれかえり、たいへん賑やかなのです。
「死に対する考え方」は日本とは大違い
メキシコの人々は、死を新しく生まれ変わるための一つの過程と捉えています。
死は当たり前にあるもの、自然なものと捉え、避けることなくしっかりと受け止めているのです。
死という誰もが避けられないことに対しての考え方は、日本とはまるで違います。
日本には死を恐れ、避けようとする考え方が浸透しています。
日本人は当たり前にある死をなるべく見ないようにし、遠ざけようとしがちです。
一方メキシコには死があるからこそ生がある、死がやってくるその日まで人生を楽しみつくそう、という考え方が浸透しています。死をよくないことと捉えることはないからこそ、帰ってくる死者を歓迎し、死者と一緒にいる時間を楽しんで笑顔あふれる祭があるのです。
メキシコと日本と
日本では不吉な扱いをすることの多い骸骨ですが、メキシコでは幸せや喜びを表すものとして親しまれています。
まるで生きているかのように生活を楽しむ様子の骸骨をたくさん目にすることができるのです。
メキシコの人々の死生観は、死を避けようとするような日本人の死生観とは違ってとてもシンプルで自然なものだと感じます。
人にとっての一番幸せな生き方とは、死というものを自然に受け止めつつ、今現在の生活を目一杯楽しむというような生き方なのではないでしょうか。
※画像はイメージです。
思った事を何でも!ネガティブOK!