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世界を左右する米国のモンロー主義

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米国の情勢や如何に!?
果たして歴史は繰り返すのでしょうか?

目次

モンロー主義とは?

1823年、米国第5代大統領ジェームズ・モンローは、南北米大陸と欧州大陸間の外交的干渉排除を宣言した。
いわゆるモンロー主義である。

当時、欧州各国は王政が主流の帝国主義の時代で、欧州大陸内外で覇権を争う戦争が絶えなかった。
王政大英帝国から独立し、民主主義を標榜する共和国として建国を果たした米国では、軍事力を背景にした、欧州の王政各国の外交姿勢に対する拒否感が強かった。

同時期、南米各地でスペイン植民地の独立が相次いでいた事と相まって、米国は国際的孤立主義(当時、国際とは欧州各国の世界)を外交の基本としていた。
特筆すべきはこの孤立主義が一般的な意識として国民全体に浸透していた事である。

第一次世界大戦

1914年、欧州で大戦が勃発。
米国は欧州情勢に関与しない従来からの孤立主義に依り中立を守った。
この戦争の特需による米国経済の活況や、欧州の敵対する国々それぞれからの移民が少なくなかった事も中立政策を後押しした。

中立国である米国は欧州の交戦国双方と通商を継続していたが、英国は米輸送船の海上検閲によってドイツ宛て禁制品を押収し、ドイツは英仏行き輸送船を潜水艦攻撃で撃沈した。

米国は中立国の通商権利を両国に主張し、特にドイツには米国船舶と米国民に被害が生じた場合の厳重な責任追及を宣言した。その後、ドイツ潜水艦攻撃で撃沈された英国客船乗船の米国人128人の死亡が、政府のみならず米国民の怒りを呼んだ。

潜水艦攻撃の停止なくば国交断絶という、米国政府の厳重抗議を一旦は受け入れたドイツが、その後再び無差別攻撃を再開し5隻の米国船が撃沈された。
これにより参戦に傾いた国民の意向を受けた米国大統領は、1927年、対ドイツ宣戦布告を宣言した。
欧州戦争勃発の3年後であった。

第二次世界大戦

1930年代に入ると欧州でファシズムが台頭し、1938年までにナチスドイツは軍事力を背景に強引な領土拡張に成功していた。

しかし米国政府と米国民はこの欧州の紛争に関わらない事を選択していた。
第一次大戦後、モンロー主義と対峙する国際協調主義の観点から、米大統領の提案を具現化した国際連盟が設立された。だが米国内の孤立主義台頭によって議会で批准されず、米国はこれに参加しなかった。

米国ではさらなる国内問題が発生していた。
ロシアの社会主義台頭の影響による米国内の共産主義勢力への懸念、欧州移民の大量流入や従前のアフリカ系国民の問題、伝統的農村と進歩的都会の対立などである。

これら文化的、宗教的、経済的軋轢は、国外からもたらされたものと考えた米国民の間には、ほとんど本能的に孤立主義が再燃していたのだ。米国政府も中立法を制定し、武器に関する参戦国との取引や、米国船籍による輸送の禁止などにより、欧州戦争への関与防止を図った。

1939年、ドイツのポーランド侵攻を機に英仏がついに対独宣戦を布告し、欧州戦争が始まった。
ナチスドイツの勢いは強く、仏国の降伏や英国陥落寸前となった欧州情勢に対し、米国内では欧州民主主義国家支援の声が高まったが、一方で伝統的孤立主義による戦争関与反対も根強かった。

時の米大統領フランクリン・ルーズベルトは、欧州のファシズム台頭や日本の軍国主義化に危機感を持ち、孤立主義から国際協調主義への転換を模索して、再軍備予算や徴兵制、武器貸与法などで英仏援助を進めながら、参戦への国民の意識転換を待った。

1941年、日本海軍がハワイ真珠湾に奇襲攻撃を敢行し、日本政府が対米宣戦を布告。
これを騙し打ちとした米国民の意識は一気に参戦に傾いた。日本の同盟国独伊も自動的に対米戦に突入した。
欧州戦争から2年が経っていた。

ウクライナ戦争

2022年、ロシアが突如ウクライナに軍事侵攻を開始。
世界の主要な民主主義国はウクライナに対する軍事援助を始めた。
特にロシアと陸続きで国境を接する欧州各国の多くは、NATO(北大西洋条約機構)の枠組みによって、ロシアの現実的な軍事的脅威にに対する対応を迫られた。
NATOの盟主的立場である米国は、NATO加盟国の中でも断トツの軍事支援金額を担った。

第二次大戦で連合国軍の中心だった米国は、終戦直後からソ連との対立にさらされた。
新たな覇権争い、冷戦の始まりである。
東欧、中近東、アジアの各地で浸食を図る共産主義勢力に対抗するために、米国は世界の要所に米軍基地を配置した。
孤立主義に依った過去の外交政策が欧州ファシズムや日本軍国主義の拡張を許し、多大な損害を生んだ事への反省から、米国は国際協調主義を国是としたのである。

その後の米国は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などに直接関与し、地域紛争には軍事援助の形で介入していった。しかしそれは米国民に経済的精神的負担を強いた。
ベトナム反戦運動などの厭戦活動、双子の赤字など経済財政的困難、終わりなきテロとの戦いと、3千人を超える死者を生んだ同時多発テロなどによる国内の混乱である。
そしてそれらは米国民生来の孤立主義を目覚めさせた。

今、ドナルド・トランプ大統領の再登場が現実となりつつある。
彼は前回大統領の時、TPP(経済的な環太平洋連携協定)とCOP21(地球温暖化に関する国際的協定)からの撤退、同盟各国に対する軍事負担増額要請、移民流入阻止の壁建設など、America First(米国第一主義)の政策を推進した。

ロシアと対峙するNATO諸国に対し、軍事費負担が不十分な加盟国は守らず、ロシアがやりたいようにやることを促すとさえ言ったトランプ氏は、共和党指名の予備選挙で圧勝した。
多くの米国民が欧州の戦争より国内問題を優先したのだ。
米国民の本性、孤立主義が再燃し始めている。

ウクライナ戦争勃発から2年を超えた。
局地紛争から戦火拡大。そして米国の参戦、世界大戦・・・歴史は繰り返すのか?

参照出典 
ウェブサイト:AMERICAN CENTER JAPAN・第二章アメリカ外交の伝統・理念と日米同盟の形成

歴史大好きじいさんです。
歴史は繰り返すのか?

featured image:J. S. Pughe, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由

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