MENU

闇にざわめくもの、またはお米の話

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

人間が地球で3番目に賢い生物であるというのは、SF的素養のある人間には周知の事実だ。だが知性はともかくとして、破壊能力については、人間に並ぶものはいない。
その意味では、人間を全ての地球生物の頂点と考えても差し支えなさそうだ。

目次

それは思い上がり

勿論それは思い上がりである。
人類は間違いなく、地球上の他の生物によって、生殺与奪を支配されている。
当然、穀類だ。

穀類が人類を支配しているというのは、比較的一般的な理論である。トウモロコシの異常性については他説に譲るとして、日本における旧き支配種族はイネである。
イネは自らデンプンを貯留する事で、周囲より遙かに多くのエネルギーを提供する事で、人類を虜にした。そして自分達の奉仕種族として先鋭化させ始めた。

「イネ」

中にはイネに対して敵対的な個体もあった。だが、イネは人間に手間をかけさせる事で、人類に集団主義を教え込んだ。収穫という遠くにある目標に対して、個を犠牲にし、今日ではなく明日を目指すように仕向けた。これについて行けない者は群れから排除されていく。

イネは保存性によって、人類に財という概念を与えた。今喰わなくても良いコメは、時間と労力の貯留物となり、より多くのコメを持つ者が、力を持つ者になった。人類最初の商売は売春であると言うが、生存能力の評価軸が財になったと考えれば、それは正しい性選択の範囲である。
こうして、より多くのイネを栽培出来る個体が、より多くの遺伝子を遺す。このルーチンを繰り返し、人類は品種改良されていく。

秩序と正義

ここへ来て、秩序や正義が必要になる。イネのデンプンで賄えない程人間が膨れあがれば、切り捨てる必要がある。その選別に、秩序は重要だ。これによって人類は更に稲作に先鋭化していき、今や世界中にイネは生息域を広げ、人類は奉仕を続けているのだ。

単なる言葉遊びだ、と思うかも知れない。だが、もしもイネに自意識があったとして、人類を滅亡させ、他の奉仕種族に切り替えようと思えば簡単だ。

2年ほどセックスレスであれば良い。

食糧が劇的に減少する。蓄えはある。それだけで人類は滅びない。だが、引き金にはなる。足りない人間は、他から奪おうとする。敵に対する攻撃性は、既にイネが育てたものだ。
新たな奉仕種族は、人類が大切に保存した種籾を見つけ、またイネにかしづくのだ。

イネの可能性

さて、イネがこのような意思を持って活動する可能性はあるだろうか。出来ない、というのが結論だ。仮にそのような脳を持てたとしても、使う事が出来ないのだ。

理由は、イネが動物ではないからだ。
動物と植物の違いは、動く事である。どちらが生物の本質に近いかと言えば、植物だ。
動物の活動は緊急事態なのだ。
だからこそ、動物は睡眠を克服出来ない。眠る必要が絶対的に出て来る。もしも眠らなければ死ぬ。イネが脳を持っていたとしても、身体の方がそれを使えるように出来ていないのだ。常に眠っている状態でしかない。

眠り続ける支配者

いや。
我々は、眠り続ける支配者というモチーフをどこかで聞かなかっただろうか?
ハワード・フィリップ・ラブクラフトはそれを「小説」と呼んだ。創作のインスピレーションなどというものは、本質的には事実のコラージュでしかない。彼はどこでそれを知った?
事実は小説より奇なり、と言うではないか。

旧き支配者が目覚めぬ今日に、感謝を。

好きな軟体生物は夏場の猫です。

※画像はイメージです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

どんな事でも感想を書いて!ネガティブも可!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次