往年の特撮映画等で良く目にする61式戦車、その特徴でもある砲身先端のT字型のアレ、マズルブレーキに関する記事になります。
マズルブレーキとは
ゴジラシリーズ等の特撮映画や戦国自衛隊等の往年の邦画に登場していた、戦後初の国産戦車61式戦車。
記憶しているオールドファンは多いと思われますが、初めて見た多くの方は気になった事があると思います。
それは恐らく61式戦車の主砲90ミリ戦車砲の砲口に装着されているT字筒状の物体、61式戦車の特徴ともいえ、多くの方が初見の際に首を捻ったであろうアレの正体はマズルブレーキ。
日本語で言うと砲口制退器と呼ばれる機能であり、61式戦車だけでなく、アメリカのM48パットン等、当時の西側陣営の戦車の標準機能となっていました。
どんな意味があるの?
砲口制退器と言うのは、砲弾が発射された再に生じたエネルギーを噴射煙と共に分散させる為の機能であり、この機能が施されるのは大砲の持つ特性が理由となっています。
大砲と言うのは物凄く簡単に言えば、前方以外が密閉された頑丈な筒の中に砲弾と火薬を詰めて火薬を爆発させ、爆発させた事によって生じたエネルギーを前方に指向させて砲弾を遠距離目掛けて発射する物。大砲は爆発によって生じた莫大なエネルギーを受け流す為に砲身を大きく後退させるのですが、マズルブレーキは砲口付近のエネルギーを主に左右に噴射させる事で砲身に掛かる負担を軽減させる為の装置になります。
特に車内面積に大きな制限のある戦車の場合、砲身を後退させるスペースに乏しく、半ば無理矢理砲身に後退距離を制限している為、砲身への負担軽減の為、榴弾砲等の大型野砲に比較してより大型のマズルブレーキが必要となり、皆さんが不思議に思ったであろう、T字型のアレが装備される事になったのです。
マズルブレーキの欠点
マズルブレーキは噴射煙とエネルギーを纏めて分散させると言う特性から、発射した際に見つかり易くなると言う無視出来ない欠点もあり。技術の進歩等に伴い戦車の主砲に搭載される事は無くなりましたが、長射程射撃を行う榴弾砲等では未だ健在の機能であり、戦車の物程の大きさではありませんが砲口部に装着されているのが確認出来ます。
マズルブレーキはその機能上、頑丈である必要がある為、それなりの厚さの鋼鉄製であり、映画の戦国自衛隊等で活躍したなんちゃって61式戦車の薄い鉄板を巻いただけのマズルブレーキと比較してみると面白いでしょう。
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