アメリカの本社から届いたメール。
「空母艦ジョージ・ワシントンの航海に同行して教えてみないか。」
このメールから私の人生の航路は新天地を目指して空母艦と共に出航するのであった。
寄港編
さて、今までは艦内の出来事をメインにお伝えしてきたが、今回は航海中に立ち寄る国々での出来事を書きたいと思う。
まず、航海は1年のうち半分の約6か月間だ。前期3か月、後期3か月となっており、前後の間に1カ月ほどのお休み(仕事は陸で通常通り)がある。
寄港地は一応機密事項になっているが、訪れる国はほぼ毎年決まっている。航海は諸外国との演習が目的だが、帰港した時に友好関係を築くのも大きな目的となっている。
各国の寄港はだいたい4-5日で、初日にBIGTOPと呼ばれる軍事関係者やメディア関係者を招待してのパーティーが格納庫で行われる。豪華な食事やお酒がふるまわれ、必ずその訪れた国の国旗をアメリカ国旗の横に掲げ盛大なオープニングセレモニーも行われる。
パーティーだけではなく甲板での戦闘機の説明ツアーなども行われる。
このパーティーへの出席は下級兵士には義務ではないがキャプテンクラスはほぼ全員参加だ。また、この日は全員正装で、オイルなど汚れが付きやすい格納庫で海軍の真っ白な正装はかなり神経を使うらしい。少しでも汚れてしまうと規則違反になるし、なによりゲストに失礼にあたる。
このパーティーの後から、つかの間の休息が始まるが帰港中もシフト制で勤務があり1日船に戻らなくてはいけない。このシフトを代行して小金を稼ぐ兵士も時々いる。特に家族や恋人がいない兵士は率先して代行していた。
寄港中は船で寝泊まりをしてもいいが、ホテルに滞在してもいい。国によっては夜●●以降は外出禁止などの規則もある。お酒などのトラブルを避けるために、見回り隊をつくり24時間体制見回りを行っている。
また、各隊の隊長には現地の携帯電話が支給されいつでも連絡が取れるようになている。ホテルは艦内のアクティビティ窓口で予約してもいいが、家族や恋人が会いに来ることが多いのでとってもらうことが多い。また、アクティビティ窓口でツアーも購入でき、テーマパークや観光名所を楽しむことができる。
寄港中、休息を楽しむのも1つだが、ボランティア活動に参加する兵士もいる。寄港地では必ずこのボランティア活動を行ており、毎回計500名ほど参加する。
一番気軽に参加できるのは地域のごみ拾いだ。地域住民と一緒に公園や街の清掃を行う。他にも孤児院を訪問して子供たちにプレゼントを渡して遊んだり、老人ホームに訪問したりしている。
この活動は私が船で印象に残っていることの1つだ。今まで軍がこのような活動を行っているのを全く知らなかった。ここから私の軍に対する考え方が少しずつ変わっていくのだった。。。
次回デート編をお楽しみに!
語学講師として米海軍基地、また空母艦ジョージ・ワシントン、ロナルド・レーガンに勤務。
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