昨今、東京オリンピックに絡んで旭日旗の問題がクロースアップされています。
旭日旗と似た経緯のある、黒十字(タッツェンクロイツ)を交えて解説していきます。
旭日旗
旭日旗は特に帝国海軍の軍旗として知られており、現在の海上自衛隊でも使用されていますが、帝国陸軍の軍旗も日の丸の位置が多少違うもののやはり旭日旗でした。
現・陸上自衛隊の軍旗も旭日旗の一つではありますが、その意匠はかなり変更されています。
旭日旗の原型は日輪とそれから放射される光を表した日足紋といわれる図案で、平安・鎌倉時代から使われています。
赤い日の丸から放射状に赤い帯が広がる現在の旭日旗が、軍旗として正式採用されたのは明治に入ってからです。
タッツェンクロイツ
黒十字文様を用いたタッツェンクロイツは、現在のドイツ連邦軍の国際マークに使われています。
ナチスドイツでも同様の黒十字でしたが十字の形が違っており、 バルケンクロイツと称するナチスドイツのものとは一線を画しています。
黒十字そのものは12世紀終わり頃のドイツ騎士団が取り入れ、以後ドイツ軍の軍旗に用いられ続けた伝統的意匠です。
第二次大戦敗戦国としての扱い
第二次大戦で敗戦国となった日独は、両国とも戦争責任について国際軍事裁判で裁かれました。
ドイツの戦争責任の象徴はナチスドイツの国旗・ハーケンクロイツ(鉤十字)で、 現在ドイツ国内では公共の場での使用が禁止され、欧米の人々の一般的な心情としても否定的です。
黒十字に関してはナチスドイツと意匠を変えはしたものの、歴史的正当性から保持しました。
一方日本では、ナチスの様な明確な戦争犯罪団体が確定されない為に、国旗としての日の丸はハーケンクロイツと扱いが違っていますが、 旭日旗に関しては大日本帝国の軍国主義の象徴として一部の国の拒否反応が続いています。
思想的政治的背景が問題
旭日旗については、それを使う人の思想的政治的背景が問題でしょう。
また世界的に見て旭日旗がどう受け止められているかも考える必要があります。
今の日本で思想的に大日本帝国を支持する人は最右翼の一部だけでしょう。そんな人間はハーケンクロイツを持ち出すネオナチの様にドイツにもいます。またある国の旭日旗拒否には多分に政治的背景が絡んでいます。
戦前の軍国主義再興の旗印としての使用は絶対いけませんが、現在の旭日旗に対する大方の心情は国内的世界的に見てもそうではないでしょう。
※画像はイメージです。
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