なまはげが有名な秋田県男鹿市にある、「男鹿プリンスホテル」という廃墟があります。
営業当時に事故の噂が広がり、廃業してからも心霊スポットとして有名になったのでした。
元地元民の私が解説していきます。
ホテルの繁栄と衰退
男鹿プリンスホテルは観光ホテルが立ち並ぶ男鹿温泉郷に1969年に開業しました。
温泉街では中級以上ぐらいのグレードの位置づけだったと思います。
6階建てのホテルで温泉街の高台に建設されたので、客室から日本海を見下ろせる景観の良さが話題となって人気を博し、当時はたくさんのお客様であふれかえっていたのを覚えています。
しかしその栄華が続くことはなく、人気の絶頂期に泥酔した客が風呂場で溺死する事故が起きてしまい、噂がひろがり、次第に客足が遠のいていきました。
風呂場のイメージダウンは深刻だったようで挽回することはできず、長引く経営不振に悩んだすえ、支配人(オーナーとも言われていますが、私が聞いたのは支配人でした)が自殺してしまい、高度成長期にも関わらず1981年に閉業してしまいます。
地元住民から取り壊し要請がたびたび出されます、所有者は行方不明らしい。行政としても解体したいのですが補助金を使っても、それ以上の費用がかかってしまうので費用が捻出できない状況らしいのです。
結局取り壊しされることもなく、今もそのままの状態で放置されています。
廃墟ホテル
廃墟となった男鹿プリンスホテルは徐々にその姿を変容させ、敷地には草木が生い茂り、地域住民が寄りつかなくなった建物は暴走族や地元の不良のたまり場になっていったのです。
酒盛りや花火、ときにはリンチの現場ともなって、大変迷惑だったと当時の様子知る、知り合いから聞きました。
1997年、忍び込んだ地元の若者が、3階で男性の焼死体を発見する事件が起こります。
仮に3階でボヤを起こして巻き込まれたならともかく、焼死体だけが発見されたようなのでどこまでが本当なのでしょうか?
この頃からだと思うのですが、元々は地元の肝試しスポットぐらいだったはずなのが、幽霊の目撃情報が広まり心霊スポットとして全国的に有名になっていきます。おそらくですが、インターネットが急速に発展していった時期なので、それが原因なのでしょう。
極めつけが有名な霊能力者が除霊に訪れ、霊気が強くて除霊ができずに帰っていきました。
その後は胃がんで亡くなっており、この方を悪く言うつもりはありませんが、がんのステージが進んでいて体調不良だったのではないか?と思うのです。
とても有名な方だったので影響力が強く、肝試しにくる方が沢山増えて、中にはマナーの悪い方もいたようで、地域の住民からすれば迷惑だったそうです。
最後にひとこと
男鹿プリンスホテルには、レコーダーに奇妙な声が録音される、地下の赤い椅子に座ると命を落とす、窓から手を振る女性の幽霊など、他にもいくつもの幽霊に関する噂があります。
しかし、私としてはどう考えても単なる噂でしかないと思うのです。たしかにこの温泉ホテルでは、温泉で亡くなった方やオーナーの自殺、焼死体が発見されたという話を聞きますが、どれも事実であるか確証がありません。
たとえ本当の事だとしても、有名な霊能力者がやってくるほどの心霊スポットになる原因が無いと思います。
男鹿温泉郷は都会の人が想像しているよりも静かな土地です。温泉以外の観光資源といえば、風光明媚な自然と独自性のある物は「なまはげ」ぐらい。
だからこそ心霊で盛り上がって観光客が増えるのは嬉しい反面、マナーの悪い方がやってきて荒らされるのは不本意です。未知のロマンを楽しんで頂くのは構わないとおもいますが、建物に勝手に入るのは法的にも認められていません。
今は離れてしまいましたが、地震の影響でまだまだ大変な思いが続いています。節度をもって男鹿半島と男鹿温泉を楽しんで頂ければと思いつつ、筆を置きます。
※画像はイメージです。
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