太平洋戦争で日本海軍の潜水艦について「敵艦隊攻撃を重視して通商破壊作戦をしなかった」とする意見があります。
果たして旧海軍の潜水艦は通商破壊作戦を重視すべきだったのでしょうか?
漸減邀撃戦法
太平洋戦争開戦前の日本海軍は太平洋を渡りやって来るアメリカ海軍の艦隊を迎え撃つ戦略でした。
(真珠湾攻撃で実行はされませんでした)
迎え撃つ時に航空機や水雷戦隊と並んで潜水艦も米艦隊を攻撃して日本海軍の主力艦隊を掩護する役目が与えられていました。
漸減邀撃戦法と呼ばれたこの戦い方を実現する為に潜水艦も敵艦隊を攻撃する兵器の1つとされました。
これは軍縮条約もあって日本海軍がアメリカ海軍に対して数の上で劣勢だったからです。
通商破壊作戦をしていた日本海軍
日本海軍の潜水艦は通商破壊作戦も行っていました。
マレー半島のペナンを拠点にインド洋や紅海でイギリスの輸送船を撃沈し、開戦直後の頃には米本土西海岸で9隻または10隻の潜水艦が通商破壊を行いました。
とはいえ継続的または大規模な潜水艦投入とはなず戦略的な効果を上げる程ではありませんでした。
これは敵艦隊攻撃重視だからと言う理由になりますが、主な戦線である太平洋を手薄にしてインド洋や米本土へ潜水艦を投入できるほど日本海軍は潜水艦を持っていない事と、太平洋を航空機の哨戒だけではカバーできないからです。
特殊作戦
日本海軍は潜水艦で特殊な作戦も実行しています。
この特徴を生かした作戦として昭和17年(1942年)9月に伊25潜水艦から出撃した零式小型水上偵察機が焼夷弾によりオレゴン州の森を炎上させようとした作戦(失敗)
特殊部隊である呉鎮守府第101特別陸戦隊を米本土に潜入させて航空機工場を破壊する計画(実行せず)
水陸両用車の特四式内火艇を潜水艦で敵艦隊の泊地まで運び、魚雷を装備した特四式内火艇が泊地に侵入して敵艦隊を攻撃する竜巻作戦(実行せず)
失敗や実行しなかったこれら潜水艦による特殊作戦
広大な太平洋に対して数に限りがある潜水艦を考えると少ない潜水艦で行える新たな可能性と考えると潜水艦による特殊作戦をより実行できれば良かったのではないかと筆者は思います。
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