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アンティキティラ島の機械とオーパーツ(ネタバレなし)

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先日、映画『インディージョーンズ 運命のダイヤル』を観た。
ここで言う「運命のダイヤル」とは、グリーンなマイルの先にある、椅子の電圧を変更させるアレではなく、オーパーツとして知られる「アンティキティラ島の機械」と呼ばれる機械装置の事である。

オーパーツとは、「out-of-place artifacts」を略したもので、そこにある筈がない、場違いな工芸品を表す。
エントロピーが増えていくこの宇宙において、工芸品が自然現象によって組み上がる可能性は、ゼロと言って差し支えない。

作れない筈のものがあるなら、作れる者が作ったと考えるしかない。
それは何者か?
今は滅んだ超文明か、宇宙からの介入か、神の手による奇跡か?
夢が広がる話である。

目次

人間の手工芸に対する誤謬

さて。
のっけから水を差すが、アンティキティラ島の機械は、「当時の技術でも作れたものである」というのが結論である。

精巧な技術は必要であるが、当時の最先端技術を使えば、出来なくはない、というものだ。
過去を過剰に原始的に見積もるのは、現代人がやってしまいがちなミスだ。

例えば、「サンティリフィルム」と呼ばれる宇宙人解剖フィルムについて、白黒であるという一点で、信憑性に欠けるものである事が分かる。
撮影日とされる1947年当時には、重要な医療撮影には16mmカラーフィルムが使われた。
白黒しか使えない放射線だのなんだの、理屈があるとすれば、先に説明が入らなければおかしい。
だが、現代人は白黒の方にリアリティを感じる。実際の技術レベルとは関係無しに、だ。

アンティキティラ島の機械に話を戻そう。
機械が人間を超える精密な加工技術を持ったのは、ここ数十年の話だ。
それよりも前は、熟練工が手で作るものの方が、機械より精度が高かった。
機械の役割は、熟練工の5割の品質の製品を、1000倍のスピードで作るといった類のものだったのだ。

人間の手で、機械時計は作れる。
同じ機能の手を持つ古代人が、アンティキティラ島の機械を作れない理由がない。
むしろ、原始的な道具の手作業に慣れていた分、現代人より遥かに器用だった可能性もある。

アンティキティラ島の機械

具体的な内容はぼかすが、アンティキティラ島の機械は、映画内で驚くべき機能があった。

実際のアンティキティラ島の機械は、天体の運行を計測するものだった、と考えられている。
ごく単純化して言えば、365個の歯車と、それを1目盛りとするギヤ比の歯車を合わせれば、ひとまわりで1年を計測する機械が出来る。1年歯車が4年分進む毎に、うるう日カウントの歯車が動く。これによって、任意の年を進めた時に、何日が過ぎているか分かる。
これが太陽運行のパラメータになり、月は月齢周期でカウントしていく。
そんなものの組み合わせ、というイメージで、そこまで遠くないだろう。

古代の哲学者は、自然科学の知識が少なかっただけで、数学的な知識と思考力は大多数の現代人を遥かに超える。
機械の設計は、十分可能だろう。
そして恐らく、この機械が十分に普及しなかったのは、人間が頭で計算した方がずっと早かったからである。

PGギャンをオーパーツに

オーパーツがオーパーツと認識される理由は、「作るよりも解析する方が難しい」
これである。

完成して色も塗り終えた1/60ギャンのプラモデルを考える。

このギャンについて全く知らない未来人が、組み立てるまでに要した機械や道具だけを使い、組み立て前の姿を割り出せるだろうか?
無理に決まっている。

X線の1つも使って、ようやく継ぎ目に気付けるかという話だ。
プラモデルという概念がない未来人なら、そもそもユーザーが組み立てて楽しむ玩具である事に気付けない。
更に、この形が何を意味しているのか分からない。何しろ、機械のような形をしているが、動力源はない。
内側の空間に何かが入っていた可能性はある。
ならば、ある種の鎧のようなものではないか?

それにしては素材が弱いし、小さすぎる。
このプラスチックという素材は、有機物から生成された成分が利用されているが、これを作る為には数百万年の時間が必要な筈。こんなものは自然界で発見されたことがない――。
と、どこまでも脱線していく。

こうなれば、ロストテクノロジーになったものの大抵がオーパーツになっておかしくはない。

地球外説

オーパーツが、地球外生命体にもたらされたという説は魅力的である。
本来の機能や製法に辿り着けば、人類の文明は飛躍的に発展する可能性がある。
オーパーツに夢があると考えられる部分は、ここだろう。

だが、そこに夢はあるが、実現性はない。

先に述べた通り、ものは作るよりも解析する方が難しい。
ならば解析出来た時点で、そんな稚拙な文明に価値がないというジレンマに陥る。

実はオーパーツ?

案外、宇宙人は残しているかも知れない。
人間には作り出せないけれど、解析出来れば次のステージに上がれるようなものを。
だが蒙昧な我々は気付かず、全く別の使い方をしている事も、あるのではなかろうか。
かつての盗掘者が、ミイラを燃料や薬にしたように。

どうやって作られたかよく分からないけれど、人間文明を大いに発展させたもの。
最初は燃える水に過ぎず、そして現代では樹脂として様々な発明品に利用される。
そう、例えば石油が、案外地球外からもたらされたオーパーツである可能性も、十分あり得るだろう。
解析が進めば、本来の使い道がいつか現れるだろうか?

※画像はイメージです。

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