北朝鮮による弾道ミサイル発射の脅威で航空自衛隊の迎撃ミサイルPAC-3がテレビなど見る機会が増えています。
PAC-3以外の陸上自衛隊の地対空ミサイルについて紹介します。
2つに分けられる自衛隊地対空ミサイル部隊
自衛隊の地対空ミサイル部隊は大きく2つに分かれます。
- 弾道ミサイルを迎撃するBMD(ミサイル防衛)の部隊
- 航空機を迎撃する部隊
に分かれます。
BMD部隊は海上自衛隊の迎撃ミサイルのSM-3を搭載したイージス艦と航空自衛隊のパトリオットミサイルのPAC‐3の部隊で構成されています。
対して航空機を迎撃する部隊は陸上自衛隊の高射特科部隊と航空自衛隊の基地防空の部隊があります。
BMD導入前は航空機の迎撃用に作られたPAC‐2で空自が地域規模の防空を担い、陸自は地上部隊の防空を担当するようになっていました。
BMDが重要視される現在では空自のパトリオットミサイルがPAC‐3に代わりました。
地対空ミサイルでの航空機の迎撃は陸自が主に担っていると言える状況になっています。
陸上自衛隊の地対空ミサイル
陸上自衛隊の持つ地対空ミサイルを紹介します。
03式中距離地対空誘導弾
ホーク改地対空ミサイルの後継として2003年(平成15年)に採用されました。
パトリオットミサイルのようにコンテナの発射機にミサイルが収容されトレーラーにより運ばれ展開します。
射程は50kmで近年では巡航ミサイルの対処も可能な03式中距離地対空誘導弾(改)の開発も進んでいます。
11式短距離地対空誘導弾
81式短距離地対空誘導弾の後継として2011年(平成21年)に採用されました。射程は不明ですが81式と同程度とすれば10kmほどと思われます。
また巡航ミサイルや空対地ミサイルの対処能力もあり航空自衛隊も基地防空用として採用しています。
93式近距離地対空誘導弾
1993年(平成5年)に採用されたL‐90高射機関砲の役割を継ぐミサイルです。
役割は至近距離に近づいた敵の航空機に対処する事です。
なのでミサイル自体は日本版スティンガー携帯対空ミサイルである91式携帯対空誘導弾を使い発射機や照準装置などの機器が開発されました。
陸自が将来の本土防空を担う?
紹介した3つの地対空ミサイルは陸自の部隊を空の攻撃から守る役目で作られていました。しかし巡航ミサイルへの対処能力は基地や街などの地域の防衛も考えての性能になっていると思われます。
性能を向上させる北朝鮮の弾道ミサイルに対処する新たな装備としてイージスアショアの導入が決まりました。
イージス艦の索敵や探知の能力にミサイル発射装置を陸上に置くイージスアショアの運用は陸自になりBMDに陸自も参加する事になります。
陸自の防空が野戦を主としていたのが都市や地域を守るより広い意義の任務に現在ではなっているのです。
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