太平洋戦争が起こらなかったとしたら、現在、日本はどんな国になっていたのでしょうか。
戦後、半世紀を遥かに越す年月を経てなお、太平洋戦争の真相について数々の議論や説が登場し、そしてなかなか明確な答えが見つからない状態が続いているように私には思えます。
ネットなどで調べてみると、戦争勃発や敗戦の原因、戦争過程に起こった事実の真相などについては、ピンからキリまでたくさんの情報を見ることができます。
そんな中、対米戦争は本当に不可避だったのか、という問いがあります。
もし対米戦争が起こらなかったとしたら、単純に考えれば日米やアジア諸外国の何百万人という死者もなく、悲惨な沖縄戦も起こらず、本土の各都市も焦土になることなく、そして原爆投下もなかったでしょう。
また酸鼻を極めた中国大陸や朝鮮半島からの引揚もおこりませんでした。
アジア戦域の国の人々が被った無数の悲劇も全てなかったのです。
だからもし、対米戦争を避け得たのなら、それが全ての人にとって最善のものであることは間違いありません。
それに反論の余地がないことは重々承知の上で、私は思うことがあるのです。
太平洋戦争が起こらず、従って日本の敗戦がなかったら、軍部が強大な権力を保持する大日本帝国が続いているのでしょう。
今でも国家主権は天皇にあり、教室の黒板上部には天皇陛下の御影が祀られ、歴代天皇の名を暗唱させられているかもしれません。
軍人さんが軍服姿で闊歩し、赤紙一枚で夫や兄弟が徴兵され、新兵に対する古参兵の陰湿なイジメも続いているのでしょう。
オスプレイ導入や沖縄基地などに反対すると、憲兵がやって来るかもしれません。
軍事費は現在とはきっと比べ物にならないほど大きいままで民生用の予算が減り、結果、世界でも有数のGDPを誇る、今のような豊な生活ができているのかは疑問です。
何だかんだと言っても、現在の日本国は世界でも珍しいほどに暮らし易い良い国だと、私は思うのです。
太平洋戦争がもしなかったら、この暮らしもないのかもしれないと思うと、戦争に負けて良かったとつい考えてしまうのです。
あの戦争の下にあった、恐ろしく数多くの不幸に詫びながら。
歴史に”if”は付き物ですが・・・・
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