CIAの組織 準軍事工作担当官(通称パラミリ)について考察

アメリカに留まらず、いや世界で最も人口に膾炙している諜報機関が通称CIA(セントラル・インテリジェンス・エージェンシー)、中央情報局である事に議論の余地はないでしょう。CIAは第二世界大戦中の1942年に設置されたOSS(オフィス・オブ・ストラジテック・サービス、戦略情報局)を前身とし、1947年の国家安全保障法制定後に改組され現在に至ります。

こうした経緯から想定出来るように第二次世界大戦時には敵国日本やドイツの情報収集と分析を担い、戦後には主として旧ソ連関連への同様の行動と、ある種の工作活動も本格化させていきました。特に1950年代以降は旧ソ連が行う「共産主義意イデオロギー」の浸透の防止に注力するようになり、中東・中南米・アフリカ等の対象国への物理的な破壊工作を担うようになったとされます。

こうした他国政府へのクーデター支援や、要人の暗殺等の工作活動を実施したことから、今の我々がイメージする「物理的な実行部隊」を有する諜報機関として認知されたと言えるでしょう。

目次

現実のCIAの内部組織と「パラミリ」

実際のCIAは総数20,000名以上とも目される膨大な構成員を擁する巨大組織であり、正規な者から臨時的な者、または任務に応じた委託形態などもあるようで正確な人数は定かではありません。しかし主にフィクションの世界にイメージされるような「物理的な実行部隊」、つまり準軍事的な活動を主任務とする人員は少数であり、その多くは情報収集と分析を担う人員であるようです。

準軍事的な活動を行う部隊はCIAの内部では2016年頃からSAC(スペシャル・アクティビティ・センター)と呼称されており、PAGとSOGという大きくふたつの組織に分類されます。PAG(ポリティカル・アクション・グループ)は政治的な諜報活動を主任務としており、SOG(スペシャル・オペレーション・グループ)はより準軍事的な実行部隊だと考えられています。

いずれにせよPAGもSOGも準軍事的な活動を担う部隊であり、一般的にはこれに従事する人員が「パラミリ」と呼ばれており「パラミリタリー・オペレーション・オフィーサー」の略称。SACであるPAGやSOGに所属するには、8年以上の従軍経験や特殊任務の経験等も問われるため、その大半が軍の特殊部隊、グリーン・べレーやデルタ・フォース、ネイビー・シールズ等の経験者だと言われています。

「パラミリ」と呼ばれるのはCIAのSACの人々

「パラミリ」と呼ばれているのは、CIA内部のSAC(スペシャル・アクティビティ・センター)が主で、PAG(ポリティカル・アクション・グループ)とSOG(スペシャル・オペレーション・グループ)があります。これらPAG(ポリティカル・アクション・グループ)とSOG(スペシャル・オペレーション・グループ)には更にその下部に4つの専門部門が別れて存在していると言われています。

1つ目が「グランド・ブランチ」と呼ばれる陸上班、2つ目が「マリタイム・ブランチ」の水上班、3つ目が「エア・ブランチ」の航空班、4つ目が「アーマー&スペシャル・プログラム・ブランチ」。「グランド・ブランチ」は陸上で行われる作戦行動に従事するため、陸軍特殊部隊のグリーン・べレーやデルタ・フォース出身者で構成された部隊であると言われています。

「マリタイム・ブランチ」は水上・洋上での作戦行動に従事するため、海軍特殊部隊のネイビー・シールズ等の出身者が多数を占めると考えられ、艦艇や潜水技能等が必須。
「エア・ブランチ」は航空機を使用した作戦に従事するため、その操縦技能が必至であり、輸送や偵察等それら航空機を用いた各種作戦を遂行。
「アーマー&スペシャル・プログラム・ブランチ」は、実際の作戦に従事はせず、各部隊の人材から装備品の調達を任務とし、用途に応じてアメリカ軍使用以外の兵器等も調達する任を負う。

これは万が一作戦行動が失敗、若しくは外部に把握された場合でも、国家としてのアメリカ政府の関与自体を秘匿する必要があるためであり、公に出来ない作戦に必須の機能であります。

GRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)と「パラミリ」

最近ではGRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)と呼ばれている、CIA施設の警備・警護に従事するスタッフを目にする機会も増えてきているように思えます。GRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)は、主として退役軍人がその任にあたっているようで、「パラミリ」のケースオフィサーの警護等でその存在を認識する事が多い。
但しGRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)は、「パラミリ」のようにCIAの極秘作戦に直接関与する存在では無く、アメリカで多数存在する民間軍事会社がそうした任務を請け負っているようです。

「パラミリ」もGRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)も公的なアメリカ軍の構成員では無いため、本来戦闘地域での迷彩服や戦闘服に類似した衣服の着用は御法度の筈だが映像等でも区別は難しい。
これはルールの徹底が現場で無視され形骸化してきているとも思われるが、民間に軍事部門を委託する時点で我々日本人から見ればそもそも無理があるとしか思えないのが正直なところです。

「パラミリ」の装備について

「パラミリ」の存在自体がアメリカの公的な関与を否定する作戦に従事すると言う要件から、通常のアメリカ軍が標準とするヘルメット・軍服・兵器等の装備は用いない事が基本。しかし「パラミリ」の構成員と思しき人物達の映像や写真等では、アメリカ軍だけで無く多数の軍事組織等で用いられている故か、AR-15・M4カービン系の銃器を手にしている場面も目にする事があります。

総じて潜入する場所や地域に応じて兵器や装備品を用意するため、これが「パラミリ」の標準装備と言えるものは無いと思われるが、ロシア製のAK等も多く用いられているようです。フィクションで恐縮だが前述の「ヨルムンガンド」のヘックスは、アサルトライフルとしてはFN SCARやAKS-74U等を使用している様子が作品中では描写されていいます。

フィクション作品における「パラミリ」

「パラミリタリー・オペレーション・オフィーサー」、通称「パラミリ」の登場する作品として世界的に最も有名なのは、トム・クルーズ主演の映画「ミッション・インポッシブル」でしょう。
トム・クルーズが主人公イーサン・ハントを務める本作は、CIA内部の極秘諜報部隊であるIMF(インポッシブル・ミッション・フォース)が舞台にされており、数々の極秘任務に従事します。これらのスタッフ達は現実のSOGの「グランド・ブランチ」、「マリタイム・ブランチ」、「エア・ブランチ」、「アーマー&スペシャル・プログラム・ブランチ」の各担当を想起させます。

また日本でアニメ化もされている人気漫画「ヨルムンガンド」にも、白人女性のヘックスがパラミリのオフィーサーとして登場、兵器調達から戦闘まで高度なスキルを発揮するキャラクターです。本作では主人公達はヨーロッパやアフリカを舞台に武器を商う集団に属しており、その絡みからヘックス等を通じて「パラミリ」と言う用語や存在を知った読者・視聴者も多いと思われます。

「パラミリ」のまとめ

「パラミリ」とは「パラミリタリー・オペレーション・オフィーサー」の略称であり、アメリカのCIA傘下のSAC(スペシャル・アクティビティ・センター)に属する要員を指します。

SAC(スペシャル・アクティビティ・センター)にはPAG(ポリティカル・アクション・グループ)とSOG(スペシャル・オペレーション・グループ)があり、更にこの下に4つの部門があって、陸上班の「グランド・ブランチ」水上班の「マリタイム・ブランチ」航空班の「エア・ブランチ」、支援班の「アーマー&スペシャル・プログラム・ブランチ」に別れます。

「パラミリ」の要員はその大半が軍の特殊部隊、グリーン・べレーやデルタ・フォース、ネイビー・シールズ等の経験者であり、公にアメリカが関与出来ない極秘任務を遂行するとも言われ、最近ではGRS(グローバル・レスポンス・スタッフ)と呼ばれるCIA施設の警備・警護に従事する民間軍事会社も多く、服装や装備などからこれらを区別する事はかなり困難である。

※画像はイメージです。
Daniel S.によるPixabayからの画像

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