1981年「パリ人肉事件」という、日本人がフランスで起こした猟奇殺人事件がある。
佐川一政というフランスに留学していた留学生が、オランダ人女性を殺害し食べたという事件だ。
驚くべきことにこの佐川、フランスの精神病院に入院後心神喪失の不起訴処分になって日本に帰国したが、大丈夫なのか?それからしばらくは変態性をさらしながら、テレビや本に出ていたものの、いつの間にか見なくなってしまった。
佐川一政と彼が起こした事件がどういったものなのか、解説していこうと思う。
佐川一政の人物像
佐川一政とはどんな人物なのか?
筆者の印象としては、とにかく変人である。
彼は未熟児で生まれ、生後一年たらずで大病を患い、虚弱体質で何歳までいきられるかと両親が心配する程であった。
それでも、シェイクスピアやトルストイの文学作品、ベートーヴェンやヘンデルのクラシック音楽、芸術を愛する小柄でおとない少年に少年に育っていく。
だがしかし、幼少の頃に叔父が幾度となく聞かせた童話の中の「魔法使いが子供を誘拐し、鍋で調理して食べる」という内容に強く興味をもっていたと言われている。
学歴は、中学までカトリック系聖ミカエル学院に在籍し、高校は神奈川県立鎌倉高等学校、そして和光大学を卒業。
大学を卒業後、関西学院大学大学院を経て、フランスのパリ第3大学大学院に留学している。
父親は社長だったという佐川はとても裕福な環境だったというが、当時パリに留学させてもらえる生粋のお坊ちゃんだったらしい。
ちなみに事件が起きた1981年時点で、身長は152cmの体重は35㎏だったとのこと。
虚弱というレベルを超えている気がするが、そのために外国人女性も警戒心が薄れたのかもしれない。
友人のオランダ人女性を食べてしまう
虚弱ながら順調に育った佐川は、パリ留学時、白人女性に憧れ、食べてみたいと思いを実行に移してしまった。
その経緯はこうだ。
1981年のパリ、佐川一政は勉強を教えてほしいと友人のオランダ人女性留学生を自宅に呼び出し、背後からカービン銃で射殺。
殺害したあと屍姦、遺体を解体して写真撮影した後にフライパンで焼いて食べた。
2日後に残った遺体をブローニュの森の池に捨てようとているのを目撃され、目撃者が遺体を発見し通報。
通報から2日後に逮捕されている。
しかし驚くなかれ、佐川はフランスの精神鑑定の結果、心神喪失で不起訴処分になってしまった。
大丈夫なのか?と思うが、これは紛れもない事実である。
理由は・・・
どうしてこんなことをしたのか・・・、答えは非常にシンプル。
佐川はインタビューで、「殺そうとしたのではない。ただ食べたかったのだ」と。
歴史において、食人には2つのパターンがある。
1つは飢餓で食に困って人肉を食してしまうこと、そしてもう一つは嗜好として人肉を食すことだ。
佐川は明らかな後者である。
銃を持っていたので、なんらかの理由で殺意があったと考えるべきであろう。
しかし行動を見る限り、殺害する快楽よりも明らかに「肉を食べたい」という行為に突出している。
異常というほかはないだろう。
帰国後はどうなった?
この怪物は1984年に日本に返品された。
日本の精神病院に入院した結果、人肉食の性癖は全く治っていなかったらしい。
日本警察が「責任能力あり」と判断し再逮捕の予定だったが、フランス警察に「不起訴だから資料は渡せない」といわれたのだとか。
そうしてこの怪物は、特に逮捕されるわけでもなく、15か月後精神病院を退院し娑婆に放たれた。
世論的には社会制裁を受けるべきだといわれ、家族への影響はあったものの本人はさほど効いていない。
それどころか有名人として扱われ、凶悪犯罪があるたびにマスコミから犯罪心理学に対するコメントを求めたられたり、小説など月刊誌に連載、アダルトビデオにまで出演していたのであった。
しかし段々飽きられて2001年には仕事も来なくなり、生活に困り、闇金に手を出すようになった。
本人曰く全く反省せず、白人女性と付き合い豪遊する。家族のカードやら勝手に使い、弟の楽器を勝手に売ったりして資金調達をしていた。
その後の佐川一政は?
2005年には、事件のために退職に追い込まれた父が死亡、母は精神科に長らく通っていて「自殺」と噂されたけれどもデマだったことが判明している。この当時佐川は闇金の取り立てに追われて、両親の死に目にも会えず葬儀にも出席させてもらえなかったらしい。
結局親の遺産で借金は返済できたらしいが、持病の糖尿病が悪化し、生活保護を受けていたとのこと。
その頃のインタビューによると、「白人女性は卒業した、今は日本人女性、特に沖縄女性に食欲を感じる」と語っている。
全然治っていない、精神病院の治療も根本的に性癖は解決しないことがよくわかる。
結局2013年に脳梗塞で倒れ、歩行が困難になったために、弟の介護を受けながら年金や生活保護で暮らしているらしい。
ポケモンにパリ人肉事件が出ている?
こういった事件は人々の好奇心をそそるり、パリ人肉事件を扱った作品は多い。
そのなかでも特筆したいのが、「ポケモン」だ。
ポケモンXYの舞台のカロス地方はフランスのことで、犠牲者のオランダ人女性を暗示した登場人物が出る。
実際この事件を知って、ゲームすれば、すぐにピンとくるレベルで、ネットでも話題になった。
一説によると、制作者が「パリ人肉事件」を風化させないために入れ込んだともいわれているが、ポケモンにそういった仕込みが多いので実際はどうなのだろう?
事件を振り返って
佐川一政が起こした「パリ人肉事件」を振り返ってみたが、日本が生んだ変態であることは間違いない。
非常に裕福な家庭的、小中高、大学院そして留学までと質の高い教育を受け、本来であればエリート。
童話から人肉食に興味を持ったのだが、ここまでこじらせるのは「サイコパス」、天性のものなのだろうか?
気の毒なのは、被害者の女性だ。
フランスでも日本でも罰せられることなく、のうのうと暮らしているのは、なんとも不条理感を感じずにはいられない。
落ちぶれた行動を見る限り闇金に手を出したり、世間知らずなのであろう。それでも生活に困るほどではなかったようで、なんだかもやもやが取れない事件だなとつくづく筆者は思っている。
※画像はイメージです。
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